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出る杭はもっと出ろ!

グループ法人税(その4)-繰延譲渡損益の実現

若干しつこい気がしますが、平成22年税制改正により導入されたグループ法人税制では、

①完全支配関係にある

②内国法人間で

③譲渡損益調整資産の譲渡があった場合

に譲渡損益の繰延を行う必要が生じます。

今回は、上記の要件に従って繰り延べられた譲渡損益の実現について確認します。

前回までの繰り返しになりますが、譲渡損益の繰延は、譲渡法人の課税所得の計算上で、譲渡利益の場合は損金の額に算入し、反対に譲渡損失の場合は益金の額に算入することによってあたかもこの取引がなかったかのように処理されます。

したがって、繰り延べられている譲渡損益を実現させるときには、繰延時の処理とは逆に譲渡法人の課税所得の計算上で、譲渡利益が繰り延べられている場合は益金の額に算入し、譲渡損失が繰り延べられている場合は損金の額に算入することになります(法人税法第61条の13第2項)。

<繰り延べられた譲渡損益を実現させる事由および金額>

親会社が100%子会社に対して土地を売却した際の譲渡利益が繰り延べられている場合に、子会社がその土地を外部の第三者に売却した場合に繰延利益が実現するというのはイメージしやすいですが、法人税法第61条の13第2項では以下のように定められています。

「・・・譲渡を受けた法人(以下この条において「譲受法人」という。)において当該譲渡損益調整資産の譲渡、償却、評価換え、貸倒れ、除却その他の政令で定める事由が生じたときは、・・・」

それぞれの詳細は法人税法施行令第122条の14第4項第1号~8号に定められています。

「譲渡」、「貸倒れ」、「除却」については、同条第1号イで「譲渡損益調整資産の譲渡、貸倒れ、除却その他これらに類する事由」と定められていますが、これ以上の定義はないので通常の譲渡、貸倒れ、除却を処理するのと同じタイミングで処理を行うことになると考えられます。

1.譲渡

譲受法人が譲渡損益調整資産を外部に譲渡した場合は、その時に繰り延べられている損益を税務上、実現させるというのは理解できると思いますので、全部譲渡以外のケースを確認することにします。

なお、法人税法上は、固定資産の譲渡による収益については原則として引渡しがあった日の属する事業年度で計上すべきとなっていますが,法人が譲渡契約の効力の発生の日の属する事業年度でも計上することも認められています(法人税法基本通達2-1-14)。この取り扱いは譲渡損益調整資産についても特に修正はされていませんので、上記のいずれかのタイミングで処理を行うことになります。

(1)土地の一部譲渡

譲渡損益調整資産が土地の場合で、その一部が譲渡された場合の取り扱いが法人税法基本通達12の4-3-5に定められています。この通達を要約すると、戻し入れられる譲渡損益調整額は、面積比等で按分する等合理的な方法で計算するとされています。

具体的には以下の計算式で計算されることになると考えられます。

(2)有価証券の譲渡

有価証券の譲渡については、譲受法人で元々同銘柄の有価証券を保有していた場合にどうするのかという問題が生じます。つまり、シリアルナンバー等で個体識別できる有形固定資産と異なり、譲受法人が有価証券を外部に譲渡した場合、その有価証券がグループ内の取引で取得したものなのか色づけできないためどうするのかという問題です。

この点、法人税法施行令第122条の14第6号で、「有価証券である当該譲渡損益調整資産と銘柄を同じくする有価証券(売買目的有価証券を除く。)の譲渡(当該譲受法人が取得した当該銘柄を同じくする有価証券である譲渡損益調整資産の数に達するまでの譲渡に限る。)」とされていることから、グループ間取引で取得したものから譲渡があったものという前提にたっています。

この場合に、戻し入れられる譲渡損益調整額は「該譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額のうちその譲渡をした数に対応する部分の金額」とされているので計算式で示すと以下のようになります。
ところで、譲渡法人から譲受法人への譲渡が複数回にわたって行われているような場合にどのように計算するかが問題となりますが、この点法人税法基本通達12の4-3-6では以下のように定められています。

「法人が譲渡損益調整資産である銘柄を同じくする有価証券を2回以上にわたって完全支配関係法人に対し譲渡した後に当該完全支配関係法人が当該有価証券を譲渡した場合には、当該法人における譲渡損益調整額の戻入れ計算は、当該完全支配関係法人が当該法人から最も早く取得したものから順次譲渡したものとみなして、令第122条の14第4項第6号《譲渡損益調整額の戻入れ計算》の規定を適用する。」

したがって、譲受法人が譲渡法人から取得した年月日が古いものから順次譲渡したものとみなして戻入額を計算することになります。

2.貸倒れ

貸倒れについては、譲渡損益調整資産に関連するかどうか以前の問題として、要件等の確認が必要ですが、今回はグループ法人税制に関連する部分に絞って、譲受法人で貸倒れの要件を満たしていることは確実という前提で話をすすめます。

この前提に立つと、すべて貸倒れた場合は特に問題とはならないと思いますので、一部が貸倒れた場合にどうなるのかを確認します。

(1)金銭債権の一部貸倒れの場合

基本的には土地の一部譲渡等と考え方は同じで、当該金銭債権に係る譲渡損益調整額に譲受法人の当該金銭債権の取得価額に対する当該貸倒による損失の額が占める割合を乗じて計算した金額とする等合理的な方法により計算した金額とするものとされています(基本通達12の4-3-4)。

上記を計算式で表すと以下のようになります。

3.評価換え

「評価換え」については、内容がイメージしにくいですが、条文の内容をみると、会社更生法や民事再生法の規定によって行われる評価換えや、災害による著しい損傷によりその帳簿価額を下回ることになったこと等による評価換えが行われた場合を意味します(2号、5号)ので、一般的にはとりあえず頭の片隅に入れておくという程度でよいのではないかと思います。

長くなりましたので、「償却」等は次回以降にします。

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