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出る杭はもっと出ろ!

グループ法人税(その5)-繰延譲渡損益の実現(続き)

<繰り延べられた譲渡損益を実現させる事由および金額(続き)>

前回は法人税法第61条の13第2項で定められている「譲渡、償却、評価換え、貸倒れ、除却その他の政令で定める事由」のうち「譲渡」、「評価換え」、「貸倒れ」について触れたので、今回は残りの「償却」、「その他政令で定める事由」について触れることにします。

4.償却

まず、グループ法人税制で最もありそうなパターンといってもよい固定資産の売却にかかる譲渡損益の実現についてです。なお、実現額の計算方法については原則法と簡便法が認められています。

なお、減価償却資産における減価償却費と繰延資産における償却費に係る規定は同一内容となっているため、以下では特に両者を区分していません。

①原則法

譲渡法人において譲渡損益の繰延の規定の適用を受けた譲渡損益調整資産が譲受法人において減価償却資産又は繰延資産に該当し、その償却費が損金の額に算入された場合には、譲受法人において繰り延べられていた譲渡利益の金額または譲渡損失の金額のうち、次に掲げる金額は、その事由が生じた日の属するその譲受法人の事業年度終了の日の属する譲渡法人の事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入されます(法人税法施行令第122条の14第4項第3号、4号)。

計算式で表すと以下のようになります。

②簡便法(法人税法施行令第122条の14第6項)

簡便法では以下の計算式で計算されます。

上記の月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数は1月として計算されます(同条第7項)。

簡便法のメリットは、譲受法人での償却額を確認する必要がないことにあります。原則法の場合、実現額を計算するためには譲受法人で損金算入された償却費等の額を確認する必要があるため手間がかかります。

<適用要件>

簡便法は、確定申告書に簡便法の規定の適用を受けることにより益金の額又は損金の額に算入する金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り適用される(法人税法施行令第122条の14第8項)点、注意が必要です。

<原則法と簡便法の選択適用>

原則法と簡便法の選択は、譲渡損益調整資産ごとに行うことができますが、譲渡した事業年度に選択することが必要で、後の事業年度で変更することは認められません(法人税法施行令第122条の14第8項参照)。

また、同じ事業年度に複数の減価償却資産及び繰延資産を譲渡した場合は、法人税法施行令第122条の14第6項で、適用単位について特に要件が設けられておらず、個々に選択適用できると考えるのが合理的だと思います。

法人税法基本通達12の4-3-8でも、「譲渡損益調整額の戻入れ計算の簡便法の規定の適用については、法人が当該事業年度において完全支配関係法人に対し複数の減価償却資産を譲渡した場合であっても、個々の減価償却資産ごとに同項の規定を適用することができる。」(一部抜粋)、とされており個々の資産ごとに選択する可能とされています。

<償還有価証券の場合>

法人税法施行令第122条の14第4項第7号では、償還有価証券について定められています。

償還有価証券は、いわゆる満期保有目的債券と考えてよいと思います。会計上も税務上も額面と取得価額との差額を満期までの期間で、アキュムレーションあるいはアモチゼーションしていきます。

ただし、会計上は利息法が原則的方法であるのに対して、税法上は定額法しかない点は異なります。

償還有価証券は、償還されるまでの保有される前提ですので「譲渡」とは異なる規定が必要となるため第4項第7号で定めがされています。
譲渡損益調整額の戻入れ計算は以下の計算式により計算されます。

※1 譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額は、既にこの規定による事由が生じたことによる調整差額がある場合には、その調整差額を控除した金額。調整差額とは、その譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額について既に譲渡法人の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額又は損金の額に算入された金額の合計額を意味します。

<完全支配関係を有しないこととなった場合>

譲渡法人がその譲渡損益調整資産に係る譲受法人との間に完全支配関係を有しないこととなった場合には、その有しないこととなった日の前日の属する事業年度の所得の計算上、繰り延べられている譲渡損益を益金の額又は損金の額に算入します(法人税法61条の13第3項)。

譲渡法人で繰り延べられている損益は、「譲渡、償却、評価換え、貸倒れ、除却その他一定の事由が生じたとき」は、譲渡法人で繰り延べられていた損益を計上しなければなりませんが、完全支配関係にあっても上記のような事象の発生の情報は自然には集まりません。

通知義務

そこで、通知義務が設けられています

①譲渡法人から譲受法人への通知義務

内国法人がその有する譲渡損益調整資産を他の内国法人に譲渡した場合には、その譲渡の後遅滞なく、当該他の内国法人に対し、その譲渡した資産が譲渡損益調整資産該当資産である旨(当該資産につき第六項の規定の適用を受けようとする場合には、その旨を含む。)を通知しなければなりません(法人税法施行令第122条の14第16項)。

「当該資産につき第六項の規定の適用を受けようとする場合には、その旨を含む」というのは簡便法の適用を受けようとする場合の通知を意味します。

②譲受法人から譲渡法人への通知義務

最初の譲渡時に、その通知に係る資産が譲受法人において減価償却資産又は繰延資産に該当する場合において、その資産につき簡便法の適用を受けようとする旨の通知を譲渡法人から受けたときは、その資産について適用する耐用年数又はその資産の支出の効果の及ぶ期間を、その通知を受けた後遅滞なく、譲渡法人に通知しなければなりません(法人税法施行令第122条の14第17項)。

その後の事業年度において、譲渡損益調整資産について繰り延べられた譲渡利益額又は譲渡損失額を計上することになる事由が生じたときは、その旨及びその生じた日を、その事由が生じた事業年度終了遅滞なく、当初の譲渡法人に対して通知しなければなりません(法人税法施行令第122条の14第18項)。

なお、通知の書式については特に定められていないので任意の書式でよいようです。

日々成長。

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