menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 日給月給制とはなんですか?
  2. 2016年IPOは86社で7年ぶりの減少
  3. CGコード説明率が高いのは補充原則1-2④
  4. 有償新株予約権の会計処理の原案が明らかに
  5. 外貨建満期保有目的債券の期末換算処理
  6. 二社以上の取締役を兼務する場合の社会保険の取扱い
  7. 「会計税務委託料を必要経費と認めず」が昨年一番読まれた記事だったそうで…
  8. IFRS適用の国内子会社も実務対応報告18号の対象に
  9. 役員規程で取締役の辞任を制限できるか?
  10. 監査報告書原本の写しが添付されるようになると面白いかも
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

雇用契約と業務委託契約(その1)

様々な事情により、従来雇用関係にあった従業員と週三日程度の業務委託契約を締結するということがあります。このような場合、週三日となっているので担当業務量は減っているのが通常ですが、それ以外については従前と何ら変わっていないようにみえることがあります。

雇用関係にある場合には、社会保険料に加入させる必要性を検討しなければなりませんし、給料に対して所得税の源泉義務も生じます。そのため、雇用契約と業務委託契約はどのように違うのかが問題となります。

まず、雇用契約については民法623条で「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」とされています。

一方、業務委託契約は民法的には委任(民法643条)あるいは準委任(民法656条)に該当します。委任契約は「当事者の一方が法律行為をすることを相手に委託し、相手方がこれを了承することによって、その効果を生じる」契約(民法643条)と定義しています。また、準委任とは、民法に定められている典型契約以外の契約で、「法律行為でない事務の委託」を意味します。

したがって、弁護士への訴訟の委託というような特殊なケースではなく、一般事業会社において通常業務の一部をアウトソーシングするようなケースでは(請負に該当するケースもあり得ますが)準委任に該当すると考えられます。

委任と雇用の違いは、委任は自己の裁量で事務を処理するという独立性を有する点にあり、請負との違いは、仕事の完成を目的とする点ではない点にあります。

ところで、民法の雇用の規定は労働基準法を中心とする労働法によって大きく修正されています。特に、雇用の多様化により、労働関係の契約的側面が強調されるようになったことから2007年に労働契約法が制定されています。

そこで、労働契約と雇用契約はどのような関係にあるのかが問題となります。

この点、土田道夫氏の「労働契約法(有斐閣)」では以下のように説明されています。

学説上は、雇用関係があくまで自由・平等な当事者間の契約であるのに対し、労働契約における「労働の従属性」は単なる「指揮命令下の労働」以上の支配的・身分的要素を含む概念であるとして、両者を峻別する立場が有力」であるが、「労働契約は当事者対等の契約関係としの構成を基本としており労基法第2条1項)、その内容として使用者の権力や労使間の支配関係を観念する余地はない。」。したがって、労働契約における「労働の従属性」と雇用契約における指揮命令下の労働とは異なるところはなく、「契約の法的性格(類型)としては、労働契約と雇用契約は同一の契約と解すべきである。もちろん、労使を形式的に自由・平等な法的人格者と理解した民法と異なり、労働法は、上記従属性の認識をふまえた多様かつ独自の立法趣旨を備えており、(中略)労働契約が法の規制理念の面で異質であることは当然である。しかし、両者は契約類型として同一であるから、雇用契約は、労働法成立後は労働契約として労働法の適用を受けると考えるべきである

上記の考え方に立てば、労働契約法でいうところの「労働者」に該当するか否かが重要となります。

労働契約法において、労働者とは「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう」(労働契約法第2条1項)とされています。また、労基法第9条では、労働者について「職業の種類を問わず、・・・使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とされており、「職業の種類を問わず」ということから職業や雇用形態の区分は決め手となりません。

労働者概念の決め手は、「使用される」が何を意味するかになりますが、この点「労働者が使用者の指揮命令に服して労働すること」を意味します。

労働者性をもう少し詳しくみると、まず労働者性の判断は、契約の名称や形式ではなく、その就労実態によって判断されます。したがって、契約形式は請負や委任であっても使用従属関係が認められれば、その労務供給者は労働者と認められ、当該労務供給契約は労働契約と解されることになります。
とはいえ、雇用形態の多様化により労働者か否かの判断が難しい事例(例えば在宅勤務者や会社専属の経営コンサルタント等)が増えてきており、今後も増加することが見込まれます。

このような事例においては、指揮命令関係に加えて、以下のような点を総合的に考慮する必要があります(労働契約法(有斐閣) 土田道夫著 P48)。

①契約の締結過程における他人決定性の有無(仕事の依頼に対する諾否の自由の有無、専属制、企業組織への組入れ)

②契約の履行過程における他人決定性の有無(労働の基本的内容、目的の決定、個々の業務に対する諾否の自由の有無、勤務時間・勤務場所の拘束性の有無、労働遂行過程での指揮命令関係・服務規律の適用、第三者による代行性有無)

③報酬の労務対償性(額や性格)

④事業者性の有無(機材や材料の経費負担・所有の有無、損害負担の有無)

上記の観点からすると、従来雇用関係にあった従業員と「業務委託契約」と締結したとしても、変更内容が出社日数およびそれに伴う給料の減額だけであり、それ以外は従来となんら変化していないような場合には雇用関係にあるものと取り扱われる可能性があるということになります。

日々成長

関連記事

  1. 10105598_xl

    社外取締役・監査役報酬の動向-労政時報調べ

  2. 11405192_xl

    残業代の翌月払いは違法なのか?

  3. 判断フロー全体

    精神障害を事由とする労災申請(その4)

  4. 「ザ・チェンジ!-人と職場がガラリと変わる12週間プログラム」を…

  5. ストレスチェックと面接指導の施行日は平成27年12月1日で確定

  6. 有望な社員が会社を去る理由

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る