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グループ法人税(その3)-譲渡損益調整資産とは?

前回まで(その1、その2)の繰り返しになりますが、平成22年税制改正により導入されたグループ法人税制では、

①完全支配関係にある

②内国法人間で

③譲渡損益調整資産の譲渡があった場合

に譲渡損益の繰延を行う必要が生じます。

今回は、上記の③の要件について少し細かく確認します。

法人税法第61条の13第1号では次のように定められています。なお、読みやすくするため括弧書きはすべて削除してありますので、全文は条文をご確認ください。

内国法人がその有する譲渡損益調整資産を他の内国法人に譲渡した場合には、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額は、その譲渡した事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する。

利益を損金に算入し、損失は益金に算入するということなので、結局のところ課税所得計算上は譲渡損益をなかったものとして取り扱うということになります。

1.内国法人とは

内国法人とは、国内に本店又は主たる事務所を有する法人を意味します(法人税法第2条第3号)。そして、譲渡損益の繰延の制度を受けるのは、譲渡法人と譲受法人のいずれも内国法人である場合に限られます

内国法人は、公共法人、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等及び普通法人に分類されますが、法人税法第61条の13第1号の原文では、「内国法人(普通法人又は協同組合等に限る。)が・・・」となっているので、譲渡損益の繰延の制度の対象となるのは、上記の分類のうち、普通法人と協同組合等のみとなります。

2.譲渡損益調整資産とは

譲渡損益調整資産とは、「固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で政令で定めるもの以外のもの」(法人税法第61条の13第1号の括弧書内)とされています。

つまり基本的には、固定資産、土地、有価証券、金銭債権及び繰延資産ですが、除外されるものが存在するということです。

政令で定めるもの」については、法人税法施行令第122条の14第1項で定められており、以下のものを意味します。

①売買目的有価証券(第1号)

②譲受法人で売買目的有価証券として処理されるもの(第2号)

帳簿価額1000万円未満の資産

①と②から、譲渡法人、譲受法人のいずれかで売買目的有価証券に該当する場合には譲渡損益の繰延の対象とはならないということになります。

法人税法施行令第122条の14第1項では「帳簿価額(その譲渡した資産を財務省令で定める単位に区分した後のそれぞれの資産の帳簿価額とする。)」とされており、この財務省令で定める単位というのは、法人税法施行規則第27条の15第1項に定められています。その内容を要約すると以下のようになります。

なお、譲渡損益対象資産であるかどうかの判断は、譲渡法人においてなされます。したがって譲受法人で固定資産として使用されるものであっても譲渡法人で棚卸資産に該当する場合は譲渡損益対象資産とはなりません。

3.譲渡損益

譲渡利益とは、その譲渡に係る対価の額が原価の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいいます。譲渡損失は、逆にその譲渡に係る原価の額が対価の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいいます。

土地等の譲渡にあたり仲介手数料等の付随費用が生じた場合の取り扱いが気になりますが、法人税法基本通達12の4-1-2で「法第61条の13第1項《完全支配関係がある法人の間の取引の損益》に規定する「原価の額」とは、同項に規定する譲渡損益調整資産の譲渡直前の帳簿価額をいうのであるから、例えば、不動産売買又は有価証券の譲渡に係る手数料など譲渡に付随して発生する費用は、これに含まれないことに留意する。」とありますので、発生した期の損金に算入されることになります。

繰り延べられた譲渡損益の実現(取崩し)については、次回とします。

日々成長

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