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IAS10(後発事象)

今回はIAS10号(後発事象)についてです。

日本基準と比較すると、財務諸表公表の承認日の開示が求められている点と継続企業の前提に疑義がある場合には、注記で開示が求められるのではなくそもそも継続企業の前提で財務諸表を作成することが認められない点を除くと、実質的に大きな差異はないと思われます。

その他の差異も含めてまとめると以下のようになります。

IAS10号では、「後発事象」は以下のように定義されています。
後発事象とは、報告期間の末日と財務諸表の公表の承認日との間に発生する事象で,企業にとって有利な事象と 不利な事象の双方をいう(第3項)。

そして、さらに後発事象は以下の二つに区分されます。

①修正を要する後発事象

報告期間の末日に存在した状況についての証拠を提供する事象

②修正を要しない後発事象

報告期間後に発生した状況を示す事象

修正を要しない後発事象は、日本基準でいうところの、いわゆる開示後発事象に該当するものと考えればよいと思います。

後発事象は、その定義で期末日後財務諸表の公表の承認日の間に生じた事象とされていますが、ここで財務諸表の公表の承認日とは何かが問題となります。

財務諸表の公表承認日の直接の定義は行われていませんが、IAS10号第4項において「財務諸表の公表を承認するプロセスは,経営組織,法的要請及び財務諸表の作成と最終決定の手続 によって異なる」とされています。

上記からすると、日本の場合、株主総会の承認なのかとも考えてしまいますが、続く第5項で以下のように定められています。

「企業は,財務諸表が公表された後に,株主総会にその承認を求めて提出しなければならないこともある。そのような場合には,財務諸表は,株主総会での承認日ではなく,その前の公表された日に公表の承認を受けることになる。」

上記の例からすると法的な最終権限を有する者の承認という意味ではなく、広く一般に開示する行為についての権限を有する者の承認を意味すると考えられます。日本のケースで考えると財務諸表の公表承認日は、通常、取締役会の承認を得た日と考えればよいものと思われます。

実際にIFRSを適用している海外の会社の事例を調べたところ取締役会の承認を得ている旨が開示されていました。

参考までにLVMHとBMWの2010年アニュアルレポートの該当部分を紹介します。

1.LVMH

2.BMW

<<修正を要する後発事象の具体例>

IAS10号では修正を要する後発事象の例として以下の5項目が例示されています。

①報告期間の末日においてすでに企業が現在の債務を有していたことを証明することになる, 報告期間後における訴訟事件の解決。具体的にはIAS37号に従い引当金の額を修正する必要がある。

②報告期間の末日においてある資産がすでに減損していたこと,あるいはその資産に対してすでに認識されていた減損損失を修正する必要があることを示す情報の報告期間後の入手。
例えば、期末日後における顧客の倒産や、棚卸資産の販売が、金銭債権の回収可能性や棚卸資産の 正味実現可能価額についての証拠を提供することがある。

③報告期間の末日前に行われた資産の購入又は売却についての,購入原価又は売却価額の報告 期間後における決定

④企業が報告期間の末日以前の事象の結果として,利益分配又はボーナスの支払を行う法的又は推定的債務を貸借対照表日時点で有していた場合の,そのような支払金額の報告期間後における決定

⑤財務諸表が誤っていたことを示す不正又は誤謬の発見

<修正を要しない後発事象の例>

一方で、修正を要しない後発事象の例としては、貸借対照表日と財務諸表の公表が承認される日との間に発生した投資の市場価値の下落が挙げられています。
これは、市場価値の下落は,貸借対照表日における投資の状況とは通常関連しておらず,その後に発生した状況を反映しているためと説明されています。

<配当>

IAS10号では、配当について、資本性金融商品の所有者に対する配当を報告期間後に宣言する場合には,企業は当該配当金を報告期間の末日時点の負債として認識してはならないと規定されています(12項)。

また、財務諸表の公表が承認される前に提案又は宣言されたが,当期中において所有者への配分として認識されていない配当の金額についてはIAS1号に従って注記が必要となります(IAS1号第137項(a))。
この点、日本基準では株主資本等変動計算書の注記として実質的に同様の内容の注記が求められています。

<継続企業>

IAS10号では、「経営者が報告期間後に,その企業の清算又は営業の停止をする方針を決定するか,若しくはそうする以外に現実的に代替案がないと判断した場合には,その企業は,継続企業ベースで財務諸表を作成してはならない(第14項)。」と定められています。

日本基準でいうところのゴーイングコンサーンの注記が付いている会社がすべて上記に該当するということではないかもしれませんが、上記の規定に従って継続企業ベースでの財務諸表の作成が認められない可能性はあります。

上記の規定は、後発事象として記載されているので、「報告期間後に」となっていますが、期末日時点で上記のような状況にあれば当然継続企業を前提として財務諸表を作成することは認められないものと考えられます。

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