menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. CGコード説明率が高いのは補充原則1-2④
  2. 有償新株予約権の会計処理の原案が明らかに
  3. 外貨建満期保有目的債券の期末換算処理
  4. 二社以上の取締役を兼務する場合の社会保険の取扱い
  5. 「会計税務委託料を必要経費と認めず」が昨年一番読まれた記事だったそうで…
  6. IFRS適用の国内子会社も実務対応報告18号の対象に
  7. 役員規程で取締役の辞任を制限できるか?
  8. 監査報告書原本の写しが添付されるようになると面白いかも
  9. 監査報告書にサインする会計士の数に意味はある?
  10. 平成29年度税制改正で連結納税採用は加速する?
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

保険の告知義務違反は2年で時効?

「正直に告知するんじゃなかった・・・」。高血圧等の持病を正直に告知した結果、医療保険への加入が拒否された人の言葉です。

その方曰く、「2年間保険を請求しなければ告知義務に違反しても時効になるんですよね?日頃会社に出入りしている生命保険の担当者から聞きました」とのこと。

この話、よく聞きますがこの根拠はどこからきたのでしょうか?

法律の専門家ではありませんが、まず一般原則たる民法で考えてみます。
①保険は加入者と保険会社との契約である
②保険加入に際して告知義務が加入者に課せられている
という点から、告知義務違反は、加入者側の債務不履行となると考えられます。

債務不履行が生じていると、他に考慮すべき要件はあるものの、保険会社は契約を解除することができるはずです。そして、判例では解除権の消滅時効は一般の債権と同様10年とされていますので、10年間は時効で消滅することはないと考えるのが自然だと考えられます。

民法的には上記のように考えられますが、結局のところ保険契約の内容は、保険約款により決まってきます。細かい字でたくさん書いてあるので、読む気もしないという感じかもしれませんが非常に重要な訳です。

そこで自分が加入しているソニー生命の総合医療保険の約款を引っ張り出して確認したところ、「告知義務違反および告知義務違反による解除」として数条が存在しました。その中に、「告知義務違反による解除ができない場合」として以下のような記載がありました。

「保険契約が、責任開始日からその日を含めて2年をこえて有効に継続したとき、ただし責任開始の日からその日を含めて2年以内に給付金の支払い事由または保険料の払込免除事由が発生した時を除きます」(一部抜粋)。

2年で時効云々というのは、ここからきているようです。これを読むと確かに2年を超えると告知義務違反によって契約は解除できないとされています。

しかしながら、まず問題となるのは「2年以内に給付金の支払い事由(中略)発生した時を除きます」という部分です。支払い事由が発生したかが問題となり、保険金を請求したかどうかではない点に注意が必要だと思います。つまり、告知しなかった持病等により入院等をした場合に、告知義務違反を恐れて2年間は保険金を請求しなかったとしても、上記の約款の要件は満たさないということです。

しかも、単に「給付金の支払い事由」とありますので、告知しなかった持病等を原因としない支払い事由であっても上記の要件は満たさないということになります。例えば上記のように高血圧で通院しているような人が盲腸で入院した場合であっても、約款上の要件は満たさないということになります。このような場合に、実際どのような判断が下されるのかはわかりませんが、契約が解除されても文句は言えないと考えておいた方が無難だと考えられます。

なお、告知義務違反により保険会社は契約を解除できるとしつつも、「給付金の支払い事由または保険料の払い込みの免責事由が、保険契約解除の原因となった事実によらなかったことを、保険契約者、被保険者または給付金の受取人が証明したときは、給付金の支払いまたは保険料の払い込みの免除を行います。」とあるので、全く関係ない病気で入院したような場合には保険金を受け取ることができる場合はあると言えます。ただし、繰り返しになりますが、契約は解除される可能性はあります。

次に、晴れて2年を無事経過したらもう大丈夫なのかが問題となりますが、約款の告知義務の前後に「詐欺および不法取得目的による無効」および「重大事由による解除」という項目があり、これらに該当しても契約が解除される可能性があります。

「詐欺および不法取得目的による無効」は、告知義務違反とは別に定められていることからもわかるように相当重大な告知義務違反の場合に適用されると考えられます。例えば、病気で入院中に告知すべき事項がないとして告知したようなケースや現在の医療水準では治すことが非常に難しい、または死亡のおそれが極めて高い病気に過去5年以内にかかったことがあることについて、故意に告知しなかったような場合が該当するものと考えられます。

「重大事由による解除」も、項目の中に「その他この保険を継続することを期待し得ない・・・事由がある場合」というような一般条項が入っていることから、この条項に基づいて契約が解除される可能性も否定できません。

以上の点から考えると、やはり告知義務違反と知りつつ告知しない場合は、2年経っても保険給付を受けられないケースがあると考えておくべきといえます。ただし、加入後2年経過して保険金を請求した場合に、2週間程度の入院であれば請求額も大きくはないのでそれほど厳密に調査されることはないのかなという気が個人的にはします。

リスクをヘッジするための保険にリスクをとるのかどうかは個人の判断によるというところでしょうか。

最後に、告知義務違反等で保険給付を受けられないケースがどれくらいあるのかを確信したところ生命保険会社のHPで保険金の支払状況が開示されていたので、参考までに住友生命の平成22年度上期の実績を載せておきます。件数的には、告知義務違反により保険金が支払われないというのはそれほど多くはないようです。


(出典:住友生命HP)

どうしても、気になる方は無料の相談を利用してみるのがよいのではないでしょうか?(コンプライアンス上、教科書的な答えしか返ってこない可能性は高いですが)

関連記事

  1. 「保険は99%がはずれる宝くじ」って・・・

  2. 単独加入できる地震保険-Resta

  3. 生命保険料控除が来年から変更になるって知ってますか?

  4. 保険会社が来店型販売代理店に支払う販売手数料はどれくらい?

  5. 日本人は保険好き?

  6. 生命保険の国債依存度は約4割?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る