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割賦販売とリース

割賦販売というと、ついテレビショッピングを想像してしまうのですが、以下のような場合にリースとの関係をどう考えるのかが問題となります。

例えば、通常は一括販売を行っている機械装置の製造業者が、特定の顧客と5年で代金を分割して回収する販売を行う場合(代金完済時に所有権は移転するものとします)に、これはリース(貸手)なのか割賦販売なのかが問題となります。

この点、リース会計の適用指針第121項では、「本適用指針に示された貸手の会計処理は、割賦取引又は延払条件付譲渡取引についても適用が可能であるが、これらの取引の会計実務を拘束することを意図するものではない」とされていますので、分割して代金の回収を図る場合は基本的に割賦販売ないしリースとして取り扱われることになると考えられます。

従来から割賦販売を行っていない場合は、基準が整っているのでリースとして処理したほうが無難だと考えられますが、割賦販売として処理することも認められるものと考えられます。

割賦販売とした場合であっても、「収益認識に関する研究報告」のケース6において、割賦販売には販売取引部分と金融取引部分が含まれており、金融取引部分については「利息法を適用し、金利相当額を代金分割回収期間にわたって認識することが適切と考えられる。」とされていることから基本的にリースとして処理した場合と損益に与える影響は等しくなると考えられます。

一方でBSの表示として、リースとした場合は「リース債権」、割賦販売とした場合は「売掛金」となります。

ただし、上記研究報告ケース6では、「販売基準の場合でも、契約上、販売代価と賦払期間中の利息に相当する金額とが明確、かつ、合理的に区分されているときは、割賦販売の金利的な要素を考慮し、商品等を引き渡した時点で収益を販売代価で測定し、賦払期間に対応して利息相当額を収益として認識する実務と、割賦販売の金利的な要素を考慮せずに商品等を引き渡した時点で収益を現金回収総額で測定する実務がある」とされており、リース適用指針も、現行の会計実務を拘束するものではないため、上記のような処理を行うことも可能だと考えられます。

売掛金の表示については正常営業循環基準によるので1年に縛られることはありませんが、3年という回収条件が他の取引条件からかけ離れたものである場合は、正常営業循環からはずれたものと考えられるので1年基準を適用し、1年を超える部分については固定項目として取り扱うことになると考えられます。

IFRSや今後の収益認識基準の整備を考慮すると、使用する勘定科目は別として、リースとしても割賦としても基本的には同様の処理としておくほうが無難だと考えられます。リースの適用指針第51項では、貸手の処理法として三つの方法が示されていますが、一括販売が通常の販売形態である会社の場合は、「リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する方法」が合理的な方法だと考えられます。

また、適用指針第56項では、「製品又は商品を販売することを主たる事業としている企業が、同時に貸手として同一製品又は商品をリース取引の対象物件としている場合(第16項参照)で、貸手における製作価額又は現金購入価額と借手に対する現金販売価額に差があるときには、当該差額はリース物件の販売益として扱う。当該販売益は、販売基準又は割賦基準により処理する。」とされています。ただし、販売益の重要性が乏しい場合は、利息相当額に含めて処理することも認められます。

したがって、仕訳のイメージは以下のようになります。

<前提>

・現金販売価格 1,200(←一括販売した時の価格と考えればよいと思います)

・回収総額    1,500(年払300×5回、各期末に回収)

・販売製品原価 1,000

なお、期首に割賦販売を開始したものとします。

リース取引開始時(割賦契約開始時)

借)リース債権 1,500   貸)売上  1,500

借)売上原価  1,000   貸)買掛金 1,000

借)繰延リース利益繰入300 貸)繰延リース利益 300

*現金販売価格と販売製品原価の差額200は販売時に実現するので繰延対象となるのは300となります。

代金回収時

借)現金預金 300  貸)リース債権 300

年度決算時(四半期は無視します)

借)繰延リース利益 55  貸)繰延リース利益戻入 55

*上記の前提で計算すると計算利子率が4.564%となり、元本1,200(=現金販売価格1,000+販売益計上分200)×4.564%=55となります。

日々成長

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