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出る杭はもっと出ろ!

四半期財務諸表に関する会計基準および適用指針の改定

2011年3月25日にASBJから改正版の「四半期財務諸表に関する会計基準」および「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」が公表されました。

開示が簡略化される方向ですが、結構インパクトはあります。適用時期は、「平成23 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の第1 四半期会計期間から適用する。」(四半期基準第28-11項)とありますので、3月決算の会社は次の第1四半期から適用開始となります。3月決算で、第1四半期どころではないかもしれません

が・・・

簡略化されるポイントは、大きく三つです。

(1)キャッシュ・フロー計算書の開示

第1四半期および第3四半期のCF計算書の開示を省略することが認められるようになりました(四半期基準第6-2項)。

これは、大変ありがたいことです。CFは情報の収集に相当手間がかかるので、これがないだけでも相当手間が軽減されると思います。

CF計算書の開示の省略で注意すべきは、「(省略)省略を行うことができる。この場合には、第1四半期より行うものとする」(四半期基準第6-2項)とされている点です。

あまりないかもしれませんが、第1四半期はCF計算書を開示したけど第3四半期ではやめたいということは認められないということです。これは、四半期の首尾一貫性を保つためのようです(いずれにしても第2四半期は開示するので、?という感じではありますが。)。

なお、第1四半期および第3四半期のCF計算書の開示を省略する場合には、以下の項目を注記することが必要です(第20-2項)。

①期首からの累計期間に係る有形固定資産及びのれんを除く無形固定資産の減価償却費

②のれんの償却額(負ののれんの償却額を含む。)

(2)四半期損益計算書及び四半期包括利益計算書の3カ月情報の開示

従来必須であった、四半期損益計算書及び四半期包括利益計算書の3カ月情報の開示が原則不要となりました。

四半期会計基準の第7項(2)では以下のように定められています。
「期首からの累計期間の四半期損益及び包括利益計算書又は四半期損益計算書及び四半期包括利益計算書、並びに前年度における対応する期間の四半期損益及び包括利益計算書又は四半期損益計算書及び四半期包括利益計算書」

一方で、四半期会計基準の第7-2項で以下のように定められていますので、従来通り3カ月情報を開示することも認められます。
「前項(2)にかかわらず、四半期損益及び包括利益計算書又は四半期損益計算書及び四半期包括利益計算書の開示対象期間は、期首からの累計期間及び四半期会計期間、並びに前年度におけるそれぞれ対応する期間とすることができる。」

これで、表示組替が生じたときの3カ月PLの金額等で悩む必要がなくなるのはうれしい限りです。

ちなみに、3カ月情報については、CF計算書と異なり第2四半期でも不要です。ただし、CF計算書と同様、3カ月情報を開示しないのであれば第1四半期から継続して開示しないようにする必要があります

(3)注記の簡略化

四半期会計基準が改正されたことにより、従来必要とされていた以下の注記の注記が不要となっています。

①1株あたり純資産額(改正前第19項(9))

②四半期会計期間の末日における発行済株式総数、自己株式数、新株予約権(自己新株予約権を含む。)の目的となる株式数及び四半期会計期間末残高(改正前第19項(10))

③ストックオプション等を付与した場合の注記(改正前第19項(11))

④担保資産の注記

担保資産の注記については、従来「事業運営にあたっての重要な項目であり、かつ、前年度末と比較して著しく変動している資産又は負債等に関する事項」で要求されていましたが改正により削除されています(改正前適用指針第80項(2)③)。

このほか、重要な企業結合に関する事項について,当該企業結合が当年度の期首に完了したと仮定したときの影響の概算額等の記載が不要になっています(改正前第19項(17)①イ)。

また、以下の項目については第1四半期、第3四半期で注記の省略が認められています

①金融商品の時価情報

金融商品の時価情報については、著しい変動があったとしても一定の会社以外は第1四半期及び第3四半期で注記を省略することができるとされています(適用指針第80項(3)③)。なお、この容認規定が認められないのは、「総資産の大部分を金融資産が占め,かつ総負債の大部分を金融負債及び保険契約から生じる負債が占める企業集団」とされていますので、銀行や保険会社をイメージしておけばよいと思います。

なお、改正により表示方法の変更の規定も削除されていますが、これは簡略化というわけではなく「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用開始になることによるためです。

何にせよ、決算が終わったと思ったら、また決算という感じになっていただけに作成者側の立場としてはうれしい改正です。人があまっているという会計士業界にとっては向かい風が強まったというところでしょうか。

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