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キャッシュ・フロー計算書の小計欄の意味

キャッシュ・フロー計算書を作成する際に、以下の例にあるような「受取保険金」等の金額を営業活動によるキャッシュ・フローの小計欄の下にもってくる意味がよくわからないという質問を受けることがあります。

(セーラー万年筆(2010年12月期))

このような質問をする方は、小計欄の下の調整項目は会計上の損益をキャッシュ・フローベースの金額に調整するための項目というような理解をされていることが多いようです。典型的には、スタートが税前利益なので「法人税等の支払額」は小計欄の下のみで調整し、受取利息は小計欄の上でPL計上額の影響を排除し、実際の受取額を小計欄の下に持ってくることで実際のキャッシュ・フローが示せるというような理解の仕方です。

このように考えていると、受領済みの受取保険金を小計欄の上と下で調整する意味が全くわからないということになりますので、小計欄の意味を確認します。

<小計欄の意味>

小計欄の意味するところについては、キャッシュ・フロー実務指針第12項で「おおむね営業損益計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フローの合計額を意味し、小計欄以下の項目には、投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フロー及び法人税等に係るキャッシュ・フローが含まれることになる。」とされています。

つまり、小計欄以下の項目を調整した金額が営業活動によるキャッシュ・フローの金額として表示されますが、実質的には小計欄の金額が営業活動によるキャッシュ・フローを意味するということになります。

仮に小計欄がなかった場合を考えてみるとよりわかりやすいと思います。

上記の例でいえば、一般事業会社において「受取保険金」は営業外収益に計上されるのが一般的だと考えられますので、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に文字通り営業損益計算の対象となったキャッシュ・フローしか記載できないとすると投資活動か財務活動の区分に記載するしかありません。

しかしながら、「受取保険金」は一般的に投資活動でも財務活動でもありませんので、これらの区分に記載することもできません。このように考えると、結局「受取保険金」を計上する場所がないということになってしまいます。

そこで、便宜的に営業活動によるキャッシュ・フローの区分に小計欄というものを設けて小計欄の下を行き場のない項目の計上場所としたといえます。

投資活動または財務活動として明確に識別できないため営業活動によるキャッシュ・フローに含めて記載される項目としては以下のようなものがあります。

①災害による保険金収入

②損害賠償金の支払い

③巨額の特別退職金の支払い

④法人税等の支払・還付

これらの項目は、営業外ないし特別損益項目として計上されるのが一般的なので上記の「受取保険金」と同じような表示になるものと考えられます。

なお、小計欄の意味で、「おおむね営業損益計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フローの合計額」と「おおむね」となっているのは、取引先からの前受金に係る収入・支出や売上取引により取得した手形の割引による収入などは営業損益計算の対象とはなりませんが、営業活動に直接関連する取引にかかるキャッシュ・フローであるため営業活動によるキャッシュ・フローに含まれるものがあるためです。

「受取保険金」と似ているものとして、保険の解約による解約返戻金およびその関連損益があります。解約返戻金が発生する場合は通常、保険積立金が積み立てられていますが、保険積立金の積み立ては投資活動に含められるのが一般的です。よって、関連損益は営業活動によるキャッシュ・フローの小計の上で調整し、回収した解約返戻金については投資活動に含められることとなります。

開示例を示すと以下のようになります。



GMOクラウド(2010年12月期)

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