menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 株式の無償発行を会社法上可能とする方向で検討
  2. 収益認識基準により消費税税込み方式は採用不可へ
  3. UKCホールディングスが連結子会社の会計処理誤りの影響を公表
  4. 最高裁、勤務医の残業代は高額年俸に含まれないと判断
  5. タカタ株が5連騰でストップ高-なぜ?
  6. 2018年3月期第1四半期報告書作成上の留意点
  7. 資本金1円の上場企業が急増?
  8. 監査人交代時の開示の充実化を検討
  9. SMCの「北米疑惑」?
  10. 採用内定後のインターンシップで能力不足が判明した場合、内定は取り消せる…
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

傷病手当金の代理受領は違法?

病気やけがにより会社を休職した場合は無給としている会社が多いですが、一方で一定の要件を満たす場合は健康保険により傷病手当金の支給を受けることができます。

この場合問題となるのは、本来従業員が負担すべき社会保険料や住民税をどうするかです。つまり私傷病で休職していても社会保険料が免除されるわけではないので、事業主には従業員負担分も含めて支払う義務があり、住民税についても支払う必要があります

1,2ヶ月で職場復帰がほぼ確実と見込まれる場合は会社が立て替えておいて後日回収としてもそれほど影響はないと思いますが、職場復帰まで長期を要するような場合などでは、後日立替分を回収しようとすると多額になっていましい従業員としても困りますし、結局退職してしまったというようなケースでは回収自体不能となる可能性もあります。

そこで、原則的には直接被保険者(従業員)に支払われる傷病手当金を会社が受領し、社会保険料や住民税を控除した額を従業員に振り込むことができるかが問題となります。

結論としては、以下の二つの要件を満たせば可能です。

<要件1>
被保険者の意思により傷病手当金の申請書の作成が行われ、被保険者を代理して傷病手当金を受領することについて、会社が適法な代理権を有していること
簡単に言えば、被保険者が自らの意思で会社に傷病手当金の受領をお願いし、会社は従業員のために傷病手当金を受領することを明らかにして申請および傷病手当金の受領をおこなう必要があるということです。

逆に言えば、従業員が直接受領したいと言っているのに勝手に会社を受領代理人として傷病手当金を受領するようなことはできません。このような場合、回収が懸念されるのであれば毎月従業員が負担すべき金額を振り込んでもらうというようなことは何ら問題ありません(本来従業員が負担すべきものを請求するのは当然です)。

<要件2>
会社が受領した傷病手当金から、社会保険料の従業員負担分や住民税を控除することについて会社と従業員が合意していること。

ところで、たまに「傷病手当金から社会保険料等を控除はできない(控除するのは違法である)」と考えている人事担当者の方がいます。理由について聞いてみると、明確な根拠はなく、そんな話を聞いたことがあるということが多いです。

上記のような話の根拠の一つは健康保険法第61条の「受給権の保護」にあるのではないかと推測します。健康保険法第61条では「保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。」としています。

前述のように従業員が直接受領したいと言っているのに勝手に会社を受領代理人として傷病手当金を受領するというような場合は、健康保険法第61条に違反するものと取り扱われると考えられますので、このような事例における「できない」という部分が広まっているのかもしれません。繰り返しになりますが、従業員から傷病手当金の受領について適法に代理権を授与されているのであれば、会社が傷病手当金を受領しても特に問題はありません

あるいは、会社サイドのからすれば、回収不能にならないように適時に回収してしまいたいという本音も多少あると思いますので、本来従業員に直接振り込まれる傷病手当金を会社が受領するのが「差し押さえ」になるのではないかという懸念があるのかもしれません。

会社が従業員から傷病手当金受領についての代理権を与えられている場合、民法上は代理人(会社)に対してなした傷病手当金の支払いは本人(従業員)になしたものと取り扱われます。したがって、「差し押さえ」というような話にはなりません。

「傷病手当金から社会保険料等を控除はできない」とする話の別の根拠としては、健康保険法第167条第1項が考えられます。健康保険法第167条第1項では、「事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。」としています。

つまり傷病手当金は報酬ではないから、社会保険料を控除してはならないのではないかということだと推測されます。
この点についても、従業員(被保険者)が会社が受領した傷病手当金から社会保険料を控除することに合意していないのに会社が勝手に控除してしまえば健康保険法第167条第1項に違反するということになると考えられます。しかしながら、会社と従業員が社会保険料等の控除について合意しているのであれば、私的自治の原則から特に問題はないと考えられます。

もっとも、会社が半ば強制的に合意させているようなケースであれば、問題があるのは言うまでもありませんが、念のため。

日々成長

関連記事

  1. どのような退職給付制度が採用されていることが多いのか?

  2. 受給者の同意がなくても企業年金を減額は可能か

  3. 2015年度の初任給水準調査-労務行政研究所調べ

  4. 会社が認めていない定期代が安価になるルートでの通勤途上で負債した…

  5. 2015年度新入社員の意識調査

  6. 解雇を巡る争いで支払われた和解金の税務上の取り扱い

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る