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増税なき復興債発行の可否について(その2)

前回のエントリで、設定した前提だと1年当たり3,960億円の財源が必要という計算になりました。

そこで、廃止が検討されているこども手当などについてみていこうと思います。
まず、政府予算「平成23年社会保障予算のポイント」によると、こども手当関連の支出総額は3歳未満の増額(2,085億円)を含めて約2.9兆であったので、こども手当を廃止すると現在の水準と比較して年間で約2.7兆円の影響額があります。

一方で、児童手当が復活しますが、厚生労働省が作成している「平成21年度 児童手当事業年報」によると児童手当の支給総額は9,956億円(約1兆円)ということであるので、ネットでの影響額は1.7兆円(削減)ということになります。

また、こども手当の財源見合いとして廃止されたことから扶養控除は復活することを前提とすると、扶養控除の復活による影響額(税収の減額)は8,000億円と言われていますので、さらにこの影響を考慮すると、約9,000億円の削減(財源)となるといえます。

ここまでの結果から、1年あたり必要な金額 3,960億円<こども手当等の廃止により捻出できると見込まれる金額9,000億円となりますが、だから期間限定の消費税アップ等の増税は不要と言ってよいのかが問題となります

この点を考えるにあたり、財務省主計局がまとめた「わが国の財政事情(平成23年度予算政府案)」では、「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」として以下の表が掲載されています。

(出典:「わが国の財政事情(平成23年度予算政府案)」財務省主計局)

この表から、平成2年位から歳出と税収の差が大きく拡大し、それに伴い公債の発行残高も増加していることが分かります。もっとも、以下のとおり、歳入には税収のほかに「その他収入」が約10兆円存在することから、税収のラインを10兆円分上方にシフトした場合の歳出との差額が年度の赤字ということになると考えられます。
(出典:「わが国の財政事情(平成23年度予算政府案)」財務省主計局)

ここ3年位の歳出額が異常であったとして、それ以前の80兆円程度の歳出に戻り、税収が奇跡的に平成元年の60兆円に回復したとしても、その他収入を除き、なお10兆円の赤字ということになるように見えます。

なお、一般会計の他に特別会計があり、歳出予算の規模でいえば一般会計の比にならない大きさとなっています。例えば、平成23年度予算においては、特別会計の度歳出予算額は約384.9兆円となっていますが、特別会計間での取引等が存在するため特別会計歳出の純額は約182.2兆円となっています。

この主な内訳は以下のようになっています。

(出典:財務省HP「特別会計の歳出」について)

特別会計を考えるとややこしいですが、特別会計は将来必要な積立を行っているもので使用できないものと仮定すると、一般会計が赤字であればいずれ行き詰ると考えられます。

このような状況を所与のものとして、今回の復興債のための財源として、何を削るかという議論は順序が違う気がします。議論するのであれば、最近の財政赤字を解消するためにどうするかをまず議論し、さらに追加で復興債を発行するのであれば追加で何を削減するのかというのがあるべき順序ではないかと思います。

そんなこと議論していたら、いつまでたっても復興債を発行できないじゃないかという意見もあると思いますが、だからこそ、財源を賄うために期間限定で消費税をアップするというのはいい案ではないかと思うのです。

もちろん、消費税以外にも選択肢はあります。私も含め多くの人は、詐欺にあったように感じるでしょうが、一番簡単なのは、こども手当のみ廃止して扶養控除は廃止したままにするという手だと思います。ただ、この方法を採用してしまうと、今後期間限定で税金を上げるというようなことはできなくなるでしょう。「期間限定」といいつつ恒久的な増税を目論んでいると、みんなが思うようになるでしょうから。

主要税収の推移を財務省のHPから転載すると以下のようになっています。

消費税以外で増税するとすれば、所得税か法人税が対象となると考えられます。国民に対するうけとしては法人税の方がよいでしょうが、そもそも諸外国と比較して法人税率が高いから引き下げようとしていたことからすると間逆の選択となってしまします。
だとすると、所得税ということになりますが、高額所得者については給与所得控除に上限が設けられたことにより結構な増税となっていると思われるので、オーストラリアで実施されたような一定額以上所得者に対する増税というのも若干気の毒な感じがします。所得税でやるのであれば、一律税率を1%上げるか、一定所得の基準を設けるのであれば変に高い基準を設定するのではなく年収300万円位を基準として広く課税するようにしないと中途半端な金額しか調達できないように思います。

結論としては、やはり期間を限定して増税したほうがよいように思います。しかも特定の層に負担を強いるという効果が小さい方法ではなくて広く浅くたくさん集めるという、選挙に負けそうな方式がいいのではないかと思います。

日々成長。

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