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精神障害を事由とする労災申請(その4)

「精神障害を事由とする労災申請(その2)」の続きです。

前回も紹介しましたが、業務上外の判断は以下のような手順で行われます。

(「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の第2回の資料2より抜粋)

そして、上の大きなボックスの中までは前回記載したので、今回は下のボックスの内容について確認します。

上のボックスのフローにしたがって、評価表で総合評価が「強」とされた場合には、以下の①および②について検討がなされることになります。

①業務以外の心理的負荷の強度の検討
②個体側要因の検討

①の業務以外の心理的負荷の強度については、そもそも業務以外で強い心理的負荷が生じるような出来事があったかを確認し、あったとすればどの程度の心理的負荷を生じさせる出来事であったかを「職場以外の心理的負荷評価表」に従って評価します。

「職場以外の心理的負荷評価表」で掲げられている項目の一部を以下に抜粋して例示しておきます。

そして、「職場以外の心理的負荷評価表」で心理的負荷の強度が「Ⅲ」に該当する出来事が認められる場合には、その出来事による心理的負荷が客観的に精神障害を発病させるおそれのある程度のものと認められるか否かについての検討が行われます。

②の個体側要因については、一定の事項に個体側要因として考慮すべき点が認められる場合には、それらが客観的に精神障害を発病させるおそれのある程度のものと認められるか否かについての検討が行われます。

一定の事項とは以下の4項目です。

1.既往歴・・・精神障害の既往歴が認められる場合に個体側要因として考慮する。
2.生活史(社会適応状況)・・・過去の職業生活等における適応困難が認められる場合には個体側要因として考慮する
3.アルコール等依存状況・・・アルコール依存症とは診断できないまでも、軽いアルコール依存けいこでも個体側要因として考慮する
4.性格傾向・・・性格特徴上偏りがあると認められる場合には、個体側要因として考慮する。ただし、「それまでの生活史を通じて社会適応状況に特別の問題がなければ、個体側要因として考慮する必要はない」とされています。

<総合判断の方法>

上記①、②の検討の結果、総合判断は以下のように行われます。

1.業務による心理的負荷以外には特段の心理的負荷、個体側要因が認められない場合は、業務起因性があると判断して差し支えないとされています。

2.上記①(「職場外の心理的負荷評価表」)で心理的負荷の強度が「Ⅲ」に該当する出来事が認められる場合は、その内容を関係者からできるだけ具体的に調査、検討を行う必要があるとされています。ただし、「一般的には、強度「Ⅲ」に該当する業務以外の心理的負荷が極端に大きかったり強度「Ⅲ」に該当する出来事が複数認められる等業務以外の心理的負荷が精神障害発病の有力な原因となったと認められる状況がなければ業務起因性があると判断して差し支えない」とされていますので、業務起因性が認められやすくはなっているといえます。

また、個体側要因に問題が認められる場合にも検討を行う必要があるとされていますが、「一般的には、精神障害の既往歴や生活史、アルコール等依存状況、性格傾向に顕著な問題が認められ、その内容、程度等から個体側要因が精神障害発病の有力な原因となったと認められる状況がなければ業務起因性があると判断して差し支えない。」とされていますので、上記同様、業務起因性が認められやすくなっているといえます。

最後になりますが、やはり業務により精神障害を患うような労働者を極力すくなくする取り組みが重要ではないかと思います。
もちろん使用者側が適切な対策をとってくれるのが理想的ではありますが、(おおげさかもしれませんが)労働者も自分の身は自分で守る位の意識をもって、メンタルヘルスのセルフケアを意識するなどの対策が重要なのではないかと思います。

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