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財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(IFRS)

「財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク」(以下「フレームワーク」といいます)は、国際財務報告基準(以下「IFRSs」という)を構成するものではありませんが、国際財務報告基準で直接言及されていない問題等を検討する場合に参考となるので内容を簡単に確認します。

なお、フレームワークは2007年のIAS1号の改定を反映するための改定が行われていないためIAS1号では「財政状態計算書」に表現が変更されている「貸借対照表」等の用語がそのまま使用されています。

繰り返しになりますが、フレームワークはIFRSsを構成するものではないので、IFRSsで定めがある事項については、フレームワークと不整合が生じていたとしてもIFRSsの規定が優先します(フレームワーク第2項)。

フレームワークでは、財務諸表は発生主義会計に基づき作成されるべきこと(第22項)、継続企業を前提として作成されるべきこと(第23項)のほか、財務諸表の質的特性(理解可能性、目的適合性、信頼性、比較可能性)について述べられていますが、やはり資産・負債・持分の定義等が重要であると考えられるので、ここに絞って内容を確認します。

資産・負債・持分の各項目の定義は以下のとおりです。

1.資産の認識要件(第89項)

資産は以下の二つの要件を満たす場合に貸借対照表に認識されます

①将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高いこと

②資産が信頼性をもって測定できる原価又は価値を有すること

上記の要件では①の「可能性が高い」とはどういうことかがポイントになると思いますが、この点については、第85項において「将来の経済的便益の流出入に付随する不確実性の程度の評価は,財務諸表の作成時に利用可能な証拠に基づいて行われる」とされています。

たとえば、広告を出す際には、将来の経済的便益の流入に寄与すると信じているはずですが「可能性が高い」とは言えないため「広告宣伝費」という費用として計上されることになるといえます。

2.負債の認識要件(第91項)

負債は以下の二つの要件を満たす場合に貸借対照表に認識されます

現在の債務を決済することによって、経済的便益を有する資源が企業から流出する可能性が高いこと

②決済される金額が信頼性をもって測定できること

上記の負債の定義からすると、いわゆる「(特別)修繕引当金」は操業停止を選択するなど企業の将来の行為によって回避可能であるため現在債務を負っているとは考えられないといえます。したがって、負債としての要件は満たさないものと考えられます。この他、役員退職慰労引当金についても、支給は株主総会の承認が要件となっているので、総会の承認を受けた時点ではじめて債務を負うものと考えられるので、「現在の債務」としての要件を満たさないものと考えられます。

一方で、日本基準では2010年4月1日以降開始事業年度から適用開始となった資産除去債務については、対象が「法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるもの」が対象なので「現在の債務」として負債の要件を満たすといえます。

なお、負債については、転換社債などIFRSと米国基準で会計処理が異なる項目が存在するため2006年2月に公表された覚書(MoU)にコンバージェンス項目の一つに「負債と資本の区分」が掲げられていましたが、議論が収束せず、負債と資本の区分プロジェクトは中断されています。2010年10月のIASBとFASBの合同会議で2011年6月以降に再考するとされています。

フレームワークについてもIASBと米国FASBで共通のフレームワークを組成することとされており、同計画のフェーズBにおいて「構成要素:認識及び測定属性」が掲げられていますので、負債および持分の定義についても合わせて検討がされ、今後変更されるものと予想されます。

また、IAS37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の改正が2005年6月から審議され続けており、2010年1月には再ED(Exposure Draft)が公表されていますが、なお決着していません。今後再々EDの公表されることが見込まれていますが、現時点ではまだ公表されていません。

収益・費用の定義
(1)収益
収益とは,当該会計期間中の資産の流入若しくは増価又は負債の減?の形をとる経済的便益の増加であり,持分参加者からの出資に関連するもの以外の持分の増加を生じさせるものをいう(第70項(a))

(2)費用

費用とは,当該会計期間中の資産の流出若しくは減価又は負債の発生の形をとる経済的便益の減少であり,持分参加者への分配に関連するもの以外の持分の減少を生じさせるものをいう

上記の定義からもわかるように、収益及び費用は資産及び負債の増減の結果生じるものというスタンスで定義されています。このような定義の仕方が、IFRSはBS重視だといわれる所以です。

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