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過年度遡及修正と税務の関係

「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に従って過年度遡及修正を行った場合に税務上の取扱いはどうなるのか今回のテーマです。

誤謬による過年度修正が行われた場合は、単純に過去が間違っていたということなので、修正申告や更正の請求で対応することになるとイメージできますが、一方で会計方針の変更により過年度遡及修正を行った場合はどうなるのかが気になります。

そのうち国税庁からも何らかの見解が示されるものと想像されますが、「過年度遡及処理の会計・法務・税務(新日本有限責任監査法人等)」を参考に考えられる取扱いについて記載します。

まず、「過年度遡及修正と各法制度との関係(その1)」で記載したように、会計方針の変更により会計上遡及修正を行ったとしても、過年度において適法に確定している会社法の計算書類が変更されることはないという点を確認しておく必要あります。

次に、法人税法の根本原則である「確定決算主義」について考える必要があります。「確定決算主義」とは、「会社法上確定した決算における利益を基礎として、税法上必要な調整を加えることで課税所得の計算を行うこと」といえます。

なお、確定決算主義は以下の条文で具体化されています。

①損金経理(法人税法2条25号)
法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう

②各事業年度の所得の金額の計算(法人税法22条4項)

第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。

③確定申告(法人税法74条1項)

内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない

つまり、会計方針の変更により会計上過年度遡及修正が行われたとしても、そのことにより過年度に適法に確定した会社法計算書類は変更されるわけではないので、確定した計算書類をベースに計算されている法人税(過年度の申告)についても、原則として影響はないと考えられます。

上記のように原則として過年度の申告には影響ないと考えられますが、一方で、過年度遡及修正が行われると会社法上の計算書類(帳簿)上は、期首時点の残高が調整されることになります。この結果、前事業年度の確定申告書の期末残高と遡及修正を反映した期首残高が一致しないことになり、特に期首時点の利益剰余金が変動することにより、別表五(一)の「利益積立金及び資本金等の額の計算に関する明細書」の期首残高をどうするのかが問題となります。

この点について、「過年度遡及処理の会計・法務・税務(新日本有限責任監査法人等)」では、「差額(遡及修正した科目の貸借対照表残高の入り繰り)を法人税申告書の別表五(一)の期首利益積立金額において調整すること(ただし、期首利益積立金額の合計額に変更がないと思われる。)で、その不一致を調整することが可能になるのではないかと思われる。」としています。

前述のとおり実務上どのように処理するかについては、そのうち国税庁から見解が示されるものと考えられますが、方法としては、期首残高で調整するか当期の増減として処理するかしかないものと考えられます。仮に、確定した決算において期首残高の調整として処理しているものを別表五(一)において当期の増減で処理をすると、確定決算主義から逸脱することになるので、やはり期首残高の調整ということになるのではないかと思います。

なお、平成23年税制改正案では、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」により会計上の臨時償却が廃止されることに伴い、税務上も陳腐化償却制度を廃止するとともに、耐用年数の短縮特例(国税局長の承認を受けた未経過使用可能期間を持って耐用年数とみなすことにより、その承認後は未経過使用可能期間で償却できる制度)が導入される予定でしたが、震災の影響(がなくてもどうなっていたのかはわかりませんが・・・)で審議どころではなく6月末までに審議がなされることになっています(いわゆる「つなぎ法案」による延長期限が3カ月のため、そういうことになっていますが、それらしき動きは?です。専ら「管おろし」が話題で、そんなことしてる場合なのか疑問に感じているのは私だけではないのではないいでしょうか)。

日々成長。

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