menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 2021年3月期よりKAM導入で監査基準改訂
  2. 取締役就任時の慰労金特約が持つ意味は?
  3. 2017年4月から2018年2月期の会計方針の変更は29社・30件
  4. 一定期間災害保障重視型定期保険が1/2損金算入保険になるようです
  5. 四半期報告書作成の留意点(平成30年6月-第1四半期)(その2)
  6. 四半期報告書作成の留意点(平成30年6月-第1四半期)(その1)
  7. 2018年上期IPOは40件(PRO除くと36件)
  8. 商品券は非行使部分の取扱いに注意-収益認識会計基準
  9. キャンセル料100%ならキャンセルすると損なのか?
  10. 米国子会社に全部合算課税のリスクが問題となっているようです
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

買収時に減損されている固定資産はどう評価すべきか?

他の会社を買収した場合の会計上の処理については、企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)、企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(企業会計基準適用指針第10号)に従って処理する必要があります。

典型的な買収など企業結合基準等でいうところの「取得」(企業結合基準第9項)に該当する場合の会計処理はいわゆるパーチェス法により会計処理することが必要とされます。

今回は、適用指針の第30項「パーチェス法は、取得企業の観点から企業結合をみるもので、取得企業は企業結合日において被取得企業が企業結合日前に認識していなかったものも含めて、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち識別可能なものに取得原価を配分する。」という部分に関連する話です。

「企業結合日前に認識していなかったものも含めて」ということからリース基準改正前にオフバランス処理されていたいわゆる所有権移転外ファイナンス・リースも原則として時価を基礎として取得原価の配分の対象とする必要が生じます。

ここでまず問題となるのは、そもそもリースしていた資産の時価とは何かということです。ファイナンス・リースを固定資産として資産計上するという考え方は、固定資産を取得したのと同じという理屈に立っています。

だとすれば、固定資産の時価と同じように考えればよいということになりますが、土地や建物の鑑定評価はそれなりの費用を払えば鑑定評価をとることができます。一方で、機械設備などをリースしている場合の機械設備の時価評価については鑑定評価のような制度が一般的ではなく、(一般的な車両などを除き)中古市場もそれほど整備されているとは言いがたい状況にあることが多いといえます。

また、中古車市場のようにある程度実績が把握できるものであっても実際のところは個体差によって価格がかなり異なるという問題点もあります。

そこで、どうすればいいの?と頭を悩ますことがあります。

結局のところ、適用指針54項では、一定の場合に「被取得企業の適正な帳簿価額を基礎として取得原価の配分額を算定できる」という例外規定を設けていますので、その規定を適用して簿価をそのまま引き継ぐということが認められていますので、適正な帳簿価額をベースに処理するというのが無難な処理となります。

この例外処理は、以下の二つの要件を満たしている場合にのみ認められるとされています。

(1) 被取得企業が、企業結合日の前日において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って資産及び負債の適正な帳簿価額を算定していること

(2)(1)の帳簿価額と企業結合日の当該資産又は負債の時価との差異が重要でないと見込まれること

したがって、昔に取得した土地のように帳簿価額と時価が大きく異なる可能性があるものを帳簿価額でそのまま受け入れるということは認められません。

仮に、被取得企業で計上されていた帳簿価額が適正な帳簿価額でない場合(例えば利益を出すために減価償却を行っていなかった固定資産など)は、上記の要件を満たさないので帳簿価額で受け入れることはできないということになりますが、趣旨から考えれば、基本的には減価償却をきちんと行った価額を帳簿価額としてよいのではないかと考えられます。

次に、被取得会社で減損処理されていた固定資産はどうなるのかですが、上記の要件からすれば、その減損が「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って」行われたものであるならば、減損後の価額で受け入れることができるということになります。

上記で、被取得企業で計上されていた帳簿価額が適正な帳簿価額でない場合は減価償却を正しく行った帳簿価額で受け入れてもよいと書きましたが、「本来減損すべきであったはずだ」という場合には減価償却を正しく行った帳簿価額を利用することが問題視される可能性は否定できません。

もっとも、過去に減損すべきであったどうかを判断するのは困難ですし、仮に何らかの時価を算定しろということになると、むしろ信頼性にかける評価になってしまうような気がします。が・・・

ところで、被取得会社で減損処理されていた固定資産を減損がなかった場合の帳簿価額(適正な減価償却後)を時価と考えて受け入れることができるかも問題となります。
これは、買収等によって被取得会社の今後の見通しが変化することによって、仮に企業結合時点で減損の判定を使用価値で行ったとしたら減損は不要と判断されるような場合に、被取得会社で計上された減損分を減額した状態で受け入れるのが本当に妥当といえるのかということです。

個人的には、取得企業が企業結合時点で減損前の帳簿価額で減損の判定し、不要であれば減価償却後の帳簿価額で受け入れるのが妥当なように思いますが、このような処理は結果として減損を戻し入れているような結果となるので否定される可能性が高く、結局のところ減損後の帳簿価額を使用するというのが無難な処理と言えそうです。

日々成長

 

関連記事

  1. 受取配当金の会計処理-原則法は・・・

  2. 平成25年3月期有価証券証券報告書の留意点(その4)-その他の留…

  3. 時価純資産法の評価益に適用する税率は?-最終年度の事業税の取扱い…

  4. 損賠賠償の支払と他社への求償金額は総額表示 or 純額表示?

  5. 200%定率法の経過措置と資本的支出の耐用年数

  6. 会社法計算書類の経団連ひな形の改正

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る