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出る杭はもっと出ろ!

為替換算調整勘定ってそもそもなんだろう?

前回のエントリのついでに、今回は為替換算調整勘定についてです。慣れていると当然出てくるものという感じですが、初めて連結を担当する方などは為替換算調整勘定の意味するところが理解しにくいようです。

単に、在外子会社の財務諸表を円貨に換算する上で、資産・負債は決算日レート(CR)で換算するのに対して資本項目は発生時レート(HR)で換算することにより、貸借差額が発生し、それをバランスさせるための項目と理解している方も多いようです。

確かに、為替換算調整勘定が生じるのは、在外子会社の財務諸表を単一のレートではなく複数のレートで換算することに起因するというのは間違いではありません。
ただ、もう少し掘り下げると、為替換算調整勘定は「在外子会社に対する持分から生じた未実現の為替差損益」を意味します。

仮に日本の親会社が100万ドルを出資して米国に子会社を設立したとします。出資時の為替レートを1ドル=100円とすると、出資時の親会社での仕訳は以下のようになります。

借)子会社株式 100,000,000 貸)現金預金 100,000,000

この子会社株式は外貨建有価証券(子会社株式)ですが、子会社株式(関連会社株式も同様)については、決算時においても換算替えは行われません(外貨建取引等会計基準一2.(1)③ハ)。

わかりやすいように極端な例で考えると、出資を受けただけの状態で決算時のレートが1ドル=90円になったとします。この場合、現地子会社の財務諸表と、それを円換算した財務諸表は以下のようになります。

在外子会社の資本項目は出資時のレート(1$=100円)で換算される一方で、現金預金は決算日レートで換算されますので、貸借差額として1000万円の為替換算調整勘定が発生します。

仮に親会社が100万ドルの外貨預金を保有していたとしたら、決算時には以下の仕訳が必要となります。

借)為替差損 10,000,000 貸)現金預金 10,000,000

為替レートの変動によって1000万円の為替差損が生じているという実態は両社とも共通ですが、このような差が生じるのは子会社や関連会社へ投資は事業目的であり資金運用目的ではないことによります。

同様の理由で金融商品会計基準では、子会社および関連会社への投資は取得原価をもって貸借対照表価額とすることとされており、時価の変動を反映させないという点で両者は整合性のとれた処理となっています。

それでは、「親会社持分から生じる未実現の為替差損益」たる為替換算調整勘定はいつ実現するのかですが、これは典型的には子会社株式等を売却した時に損益として実現することになります。子会社株式を売却した場合、連結上、為替換算調整勘定は為替差損益として実現するのではなく子会社売却損益で調整されることになりますが、詳細は別の機会に譲ることにします。

最後に、為替換算調整勘定は未実現の為替差損益なので、税効果を考慮すべきかが問題となりますが、上記のとおり為替換算調整勘定が実現するケースは限定的なため子会社株式の売却が予定されている場合などに限り税効果を考慮し、通常のケースでは税効果を考慮すべきではないものと考えられます。

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