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出る杭はもっと出ろ!

過年度遡及修正による申告調整(その1)-国税庁による解説資料

平成23年4月1日以降開始事業年度から適用開始となった「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」による遡及修正と税務の関係について、“過年度遡及修正と税務の関係”というエントリで記載しましたが、平成23年10月20日に法人課税課審理室調査課から『法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)』が公表されたので紹介します。

これはQ&A形式(全9問)で遡及修正に関する事項について述べられています。

1.大原則

実際に大原則と書かれているわけではありませんが答1「当期における申告調整」への影響において「法人税の確定申告は「確定した決算」に基づき行うこととされていますが(法74①)、過年度遡及会計基準に基づく遡及処理は過去に「確定した決算」を修正するものではありませんので、遡及処理が行われた場合でも、その過年度の確定申告において誤った課税所得の計算を行っていたのでなければ、過年度の法人税の課税所得の金額や税額に対して影響を及ぼすことはありません」と記載されており、原則的にはこのように考えるという点は頭に入れておいた方がよいようです。

したがって、原則として税務申告においては過年度の申告に影響はありませんが、会計上遡及修正や修正再表示を行うと、利益剰余金の前期末残高と当期種残高が不一致となるので、税務上当期の申告書別表において調整を行う必要が生じ、その調整をどのように行うべきかについて問2~問8で述べられています。

2.会計方針の変更の場合

会計方針の変更については、棚卸資産の評価方法の変更(問2)および売上の計上基準の変更(問3及び問4)について述べられています。

①棚卸資産の評価方法の変更

これは、先入先出法から総平均法へ評価方法を変更し、遡及修正したことにより棚卸資産の残高が550⇒500になり、利益剰余金が50減少した場合にどのように処理すべきかという例です。

[前期]

前期の申告ついては、誤った課税所得の計算を行っていたわけではなく、過年度遡及会計基準による遡及修正を行っても、確定した前期の決算に影響を及ぼすわけではないので特に調整は不要と解説されています。

[当期]

考え方を要約すると、税務上は会計上過年度のPLで計上されたものとして修正された金額(上記の例では棚卸資産の変動額50)を当期の別表四で加味するとともに、期首利益剰余金が変動した分については別表五(一)で加味するということになります。

別表四および別表五(一)の記載例として以下のように示されています。


(出典:法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)より抜粋)

別表四で会計上は過年度に売上原価に計上されたものとして修正された50を「原価認容(過年度遡及)」として減算し、別表五(一)では前期末の利益剰余金との差額50を「棚卸資産(過年度遡及)」として調整しています。

②売上の計上方法の変更

これは売上の計上基準を出荷基準から検収基準に変更し、遡及修正した結果、売上が30、売上原価が20減少し、利益剰余金が10減少した場合にどのように処理すべきかという例です。

この場合の考え方も基本的に①と同じで、会計上過年度PLに計上されていないものとして修正された金額(売上の減少30および売上原価の減少20)を当期の別表四で加味するとともに期首利益剰余金が変動した分については別表五(一)で加味するということになるといえます。

別表四および別表五(一)の記載例として以下のように示されています。


(出典:法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)より抜粋)

税務上前期の申告に影響はないので、税務上は売上30も売上原価20も計上済みであるため、会計上遡及修正により今期に計上されることとなった売上および売上原価がに二重計上にならないようにするため別表四で「売上過大計上(過年度遡及)」として30を減算するとともに、「原価過大計上(過年度遡及)」として20を加算しています。一方で別表五(一)では、遡及修正により売掛金が30減少し、棚卸資産が20増加しているのでその分を調整しています。

なお、問4として検収基準から出荷基準へ変更した場合の例が記載されていますが、こちらへの変更はあまりないと考えられることと、上記の例の加算減算が逆になり、別表五(一)の符号が逆になるだけなので詳細は省略します。

過去の誤謬の訂正があった場合等は次回とします。

日々成長。

 

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