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会社の清算手続(その1)-総論

業績不振の子会社を清算するというのはよく耳にする事案ですが、実際に会社を清算しようとした場合、どのような手続が必要となるのかについてまとめてみました。

会社法上、会社の清算は、会社解散⇒清算手続開始⇒残余財産確定・分配⇒清算完了という流れとなっています。会社解散というと最後になされるようなイメージがありますが、実際には会社解散は清算手続の前に行われます。

ちなみに、会社が破産した場合は上記の清算手続の代わりに破産手続が開始されることになります。

会社解散から清算までの全体像を示すと、おおむね以下のようになります。

各手続の詳細に触れる前に、総論的な内容を確認することとします。

1.会社解散と清算の関係

会社解散とは、会社の法人格の消滅を生じさせる原因となる法的事実のことです。
清算手続は、会社を取り巻く一切の法律関係を処理するために実行される手続のことです。具体的には、解散会社の資産を換価し、債務を弁済し、あるいは債務免除を受け、残余財産がある場合には株主に分配することになります。

そして、清算手続の結了をもって、法人格は消滅します。

上記のとおり、まず会社解散があるわけですが、会社法では「株式会社は、次に掲げる事由によって解散する」として解散の事由が定められています(会社法471条、472条)。

その事由の一つが「株主総会の決議」(会社法471条3号)で、業績不振の子会社を清算するというような場合は、株主総会の決議をもって解散されることになるのが通常です

なお、合併の場合も解散事由に該当(会社法471条4号)しますが、清算手続なしに消滅することになる点が、通常の解散・清算と異なります。すなわち、吸収合併における消滅会社は、合併の効力発生日に解散・消滅し、新設合併における各当事会社は、新設会社の成立の日に解散・消滅することになります。

2.清算株式会社

「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第22号)20項において、「清算株式会社のように、継続企業と認められない企業であっても、その意思決定機関を支配していると認められる場合には、子会社に該当し、原則として連結の範囲に含められることとなる」とされています。

清算株式会社とは清算手続中の会社を意味します

清算株式会社と解散していない普通の会社との相違点は以下のとおりです。

①能力の制限(会社法476条)
清算株式会社は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなされます。

清算の目的の範囲内においてのみ存続するものとみなされるにすぎないので、清算の目的の範囲外の行為は行うことができません。例えば、保有していた固定資産や棚卸資産を売却して換金することはできますが、原材料(棚卸資産)を加工して製品としてから売却するというような生産活動は行うことができません。

②剰余金の配当、自己株式の取得等の禁止(会社法509条)
自己株式の取得(無償取得および法務省令で定める場合を除く)、剰余金の配当、株式交換、株式移転は、清算の目的の範囲内の行為ではないので禁止されています(会社法509条)。

自己株式の取得について、「法務省令により定める場合」とは会社法施行規則151条に定められている場合を意味し、例えば、「他の法人等が行う剰余金の配当または残余財産の分配により、当該清算株式会社の株式(自己株式)を取得する場合」が該当します。

また、清算株式会社においては、株主への払い戻しよりも債権者に対する債務の弁済が優先されるので、債務の弁済が完了する前に株主に対して払い戻しを行うことはできず、資本金やその他の株主資本の係数の変更も行うことはできない。

③合併等の制限(会社法474条)
繰返しになりますが清算株式会社は清算の目的の範囲内においてのみ存続するので、清算株式会社を吸収合併存続会社とする吸収合併、吸収分割承継会社とする吸収分割を行うことはできないとされています。

ただし、反対に清算株式会社が合併消滅会社となること、または吸収分割会社になることは認められています。

相違点としては、あと機関の設計がありますが、長くなったので次回とします。

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