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適格退職年金の税制優遇措置は平成24年3月末までですが・・・

いまさらですが平成24年3月末をもって適格退職年金の税制上の優遇措置がなくなります。2011年4月18日号の税務通信によれば平成22年末で10,376の適年契約が残っているとのことです。

(税制)適格退職年金(以下「適年」)は、1962年の「適格退職年金税制」に基づいて導入された制度です。それまでは、会社が従業員のために外部積立を行っている場合は給与として課税されていたものが、適年では給与として課税されなくなりました。
たまに適年のメリットとして掛金が全額損金算入できることという説明を見かけますが、これは1/2損金算入となる生命保険等で退職金原資を準備した場合との比較と推測されます。

適年の廃止は平成14年に決まっていたことですが、理由としては従前と比べて高利回りの資産運用が難しくなったことに加えて、積立不足があってもこれを厳密に充足させる仕組みがなかったことによります。

適年を廃止にあたり取りうる選択肢としては企業年金連合会のHPで示されている以下の図が分かりやすいと思います。

(出典:企業年金連合会HPより)

企業年金への移行は大企業であれば設計等を手間ひまかけて行うことができますが、中小企業にとっての現実的な選択肢は中退共への移行ということになるのではないかと思います。ただし、今から中退共へ移行しようにも既に時間的に適年の優遇措置が廃止されるまでに移行を完了するのは難しいようです。

そこで、何も選択しなかったらどうなるかですが、上記の企業年金連合会の図にも記載されているように税制上の優遇措置を受けられなくなることは確かなようですが、非適格退職年金として継続できるのかどうかについては未定のようです(税務通信2011年4月18日号)。

この点について、いくつか信託銀行等のHPを確認してみましたが、以下のような記載となっていました。
<他の制度への移管等が必要と記載しているケース>
①住友信託銀行
既存の適格退職年金制度は平成24年3末までに確定給付企業年金等に移行するか、制度を廃止する必要があります

②中央三井アセット信託銀行
適格退職年金制度は、平成24年3月末までに確定給付企業年金制度その他制度へ移行する必要があります

③社団法人生命保険協会
適格退職年金につきましては、平成24年3月末までに、他の企業年金制度等へ移行するなどの対応が必要です。閉鎖型適格退職年金(加入者がおらず、受給者のみで構成された適格退職年金)についても、期限までに移行する必要があります。

<単に税制の優遇措置を受けることができなくなる旨を記載しているケース>

①三菱UFJ信託銀行
適格退職年金は、2012年3月まで、確定給付企業年金制度等他の年金制度に移行しなければ、税制の優遇措置を受けることができなくなります。

住友信託銀行の記載からすれば、他の制度への移行等を行わないという選択肢はないということになりますし、三菱UFJ信託銀行の記載からすれば、税制の優遇措置を受けることができなくなるだけで存続できる可能性があるようにも読めます。

仮に非税制適格の年金として存続できるとした場合であっても、平成24年4月以降に掛金を拠出すれば従業員に給与として課税が発生し、所得税はもちろんのこと社会保険料にも影響を及ぼすことになります。

制度の終了(適年の解約)を選択した場合は、積立金が従業員に分配され一時所得と取り扱われることになります(広島国税局 文書回答)。
また、常識的には上記の分配は退職金の前払いと考えられますが、退職金規程等が自動で改定されるわけではないので、退職金規程の改定等を行う必要があります。従業員に不利益な改定、例えば適年の解約に伴い退職金制度を廃止する、などは不利益改定となるので慎重に対応する必要があります。

実際に4月からどうなるのか気になるところです。

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