menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 株主優待で金券を交付した場合は源泉徴収必要か?
  2. 「居住者」「非居住者」の判断を滞在日数のみで行うのは要注意
  3. 平成29年度税制改正(その6)-法人税等関連(スピンオフに関する組織再…
  4. IFRS任意適用会社が144社に-経営財務調べ
  5. 譲渡制限付株式を役員に交付した場合の会計処理は?
  6. 平成29年度税制改正(その4)-法人税等関連(試験研究費の税額控除)
  7. 税務調査による更正が「誤謬」か否かの境界は何?
  8. PCデポが過年度誤謬の判明と公認会計士の異動を公表
  9. 6月上場の最初の承認会社はなんとなく不思議な感じがする会社
  10. 事業年度をまたいで事前届出金額と異なる金額で役員報酬を支給した場合の取…
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

非流動性ディスカウントはどれくらいが妥当か?

未上場株式の評価を実施する際に、頭を悩ますのは非流動性ディカウントを考慮すべきかしないべきか、考慮するなら何%が妥当かという点です。

非流動性ディスカウントというのは、未上場株式の場合は、上場している株式と比べて相対的に流動性が低く、そのような場合に、投資家(購入者)はより高い利回りを要求するはずだという前提から、流動性が十分にある株式の評価額から割り引かれる金額のことを意味します。

例えば、DCF法で評価した評価額が100だとした場合、当該ディスカウントを30%として30減額し70するというようなケースです。

まず、このような非流動ディスカウントを考慮すべきかですが、基本的には考慮すべきと思います。
仮に、株式市場ですぐに売却できるトヨタ自動車の株式と、株式市場では売却できないトヨタ自動車株というものがあったとして、両方とも同じ価格であったとするとどちらを買うでしょうか?
普通の人は市場で売却可能な株式を選択するはずです。資金が必要となったときに換金するのが困難というのは、投資する側にとってはやはりリスクです。

したがって、少なくとも何らかの評価減を行ったほうがよいと個人的には思います。ただし、これもケースバイケースで、たとえば大株主が力に任せて少数株主の株式を取得しようとするような場合には、明らかに買い手が見えているわけですし、無理やり株式を買われてしまう上に評価まで低いというのでは少数株主があまりに悲惨なので、このような場合には非流動ディスカウントを考慮すべきではないと思います。

また、このような非流動ディスカウントを行うにしても、DCF法などで算出した評価額を一定率で割引く方法と、DCF法に適用する資本コストに織り込む方法が考えられます。

未上場株式に対してはより高い利回りを要求するはずという前提からすれば、割引率に織り込む方が理論的なような気はしますが、実際はやはり最終評価額を割引くという方が無難な気がします。
割引率については、大手が行う評価ではイボットソン・アソシエイツが提供しているエクイティリスクプレミアムの値を使用してCAPMで計算するというのが多いように思いますが、ここに非流動性リスクを織り込むのは難しいのではないかと思います。

そもそも、ある一定期間の投資に対して投資家が要求する非流動性リスクに対する追加のプレミアムなんていう都合のいいデータはないようです。株価算定に係るデータを提供している数社に問い合わせてみましたが、現時点ではないという回答が返ってきました。

また、評価する立場としても、ある程度確立されている方法に手を加えて意味不明な評価額を出すくらいなら、非流動ディスカウントが行われる前の評価額もわかる形で評価額を出しておきたいと思ってしまします。
こうしておくことで、少なくとも評価額が容易に換金できる場合よりも低いはずという立場を示せるうえ、非流動ディスカウントを当事者がおかしいと思うのであれば、ディスカウント前の価額も知ることが可能となります。

では、非流動性ディスカウントは何%が妥当かということになりますが、非流動ディスカウントを行っている場合は30%位が多いようです。
残念ながら日本での実証研究で有名なものはまだ存在しないようですが、米国ではEmory Studiesという研究結果が有名とのことです。

この研究では、1980年1月以降2000年12月までのIPO案件で、IPO以前5か月以内に行われた株式の取引事例から流動性の欠如によるディスカウントを求めているものです。
つまり、IPO以前5か月以内であれば、上場によって流動性を獲得できる可能性が非常に高いので、上場時の株価と上記期間に行われた取引価格との差は流動性の欠如によるもののはずだという前提にたっています。

さて、気になる割引率ですが、以下のようになっています。


(出典:Emory & Co Pre-IPO Studiesより)

つまり、譲渡取引でみると平均でディスカウント率は50%となり、IPOまでの期間別にみると、
IPOまでの期間が長くなるにつれて、ディスカウント率も大きくなっているという内容になっています。期間別にみていくと、121日から153日ではなんと平均で55%という結果になっています。

IPOが前提となっている場合でこの結果ですので、IPOなんてまるで考えられない状態の株式の場合はもっと高い割引きでもよいとも考えられますが、一方で、IPO直近で取引を行っているというのはやはり多少イレギュラーな取引であるようにも思いますので、そんなことを考えると30%位が無難ということになるのでしょうか・・・

ちなみに、上記の研究結果については、以下から誰でも見ることができ、Excelでダウンロードできるデータもあります。興味のある方は確認してみてください。
http://www.emoryco.com/valuation-studies.shtml

日々成長

関連記事

  1. 監査事務所ローテーションアンケート結果ー経営財務3239号

  2. グループ法人税(その5)-繰延譲渡損益の実現(続き)

  3. 「第二会社方式」とは?(その3)

  4. 東証の上場基準が緩和されたそうですが・・・

  5. 決算日変更の会計処理-多数派はPL経由処理

  6. デリバティブ契約の押し売り?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る