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「過年度遡及会計基準適用後の連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっての留意事項」(その2)

前回に引き続き経営財務3058号(2012年3月26日)に掲載されていた「過年度遡及会計基準適用後の連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっての留意事項」の内容を確認します。

同記事で取り上げられていた以下の四項目のうち(1)については前回記載したので、今回は残りの(2)~(4)についてです。

(1)会計方針等に関連する注記事項

(2)特定の勘定科目との関連性の強い注記事項
(3)財務諸表全体との関連性の強い注記事項
(4)性質上比較情報が不要と考えられる事項

(2)特定の勘定科目との関連性の強い注記事項

ここでいうところの特定の勘定科目との関連性の強い注記事項は、BS、PL、株主資本等変動計算書、CF計算書の注記に加えて以下のような注記事項を意味します。

・リース取引に関する注記

・金融商品に関する注記

・有価証券に関する注記

・デリバティブ取引に関する注記

・税効果会計に関する注記

・退職給付に関する注記

・ストック・オプション等に関する注記

・資産除去債務に関する注記

・賃貸等不動産に関する注記

これらについても基本的な考え方は、財務諸表等規則ガイドライン6が適用されます。前回も記載しましたが、財務諸表等規則ガイドライン6では以下のように規定されています。

1 当事業年度に係る財務諸表において記載されたすべての数値について、原則として、対応する前事業年度に係る数値を含めなければならない。

2 当事業年度に係る財務諸表の理解に資すると認められる場合には、前事業年度に係る定性的な情報を含めなければならない。

上記の注記のうち数値情報については、財務諸表上に記載された特定の勘定科目の数値と密接な関係性を有するため、当事業年度の財務諸表の数値に対応する前事業年度の財務諸表の数値を記載するのと同様に、前事業年度の対応する注記事項の数値情報を記載する必要があるとされています。

ところで、上記の注記事項には、数値情報だけでなく定性的な情報が含まれるものがあります。例えば、金融商品に関する注記事項でいえば、数値情報である「2.金融商品の時価等に関する事項」の前に定性的事項である「1.金融商品の状況に関する事項」が記載されます。

定性的事項の比較情報が必要とされるのは、「当事業年度に係る財務諸表の理解に資すると認められる場合」とされているので、必ずしも前事業年度に関する事項を記載する必要はないということになります。

この点については、「例えば、前事業年度と当事業年度とで記載すべき内容が同じである場合は、敢えて前事業年度が当事業年度と同じ旨を記載する必要はないと考えられる。」とされています。

平成24年3月期のプロネクサスの記載例でも、定性的事項については前事業年度と当事業年度という書き方ではなく一本化されていることが確認できました。

では、例えば、当期から手形取引を始めたような場合に、「金融商品の内容及びそのリスク」をどのように記載するのだろうと思いましたが、記載例は特に示されていませんでした。

このケースであれば、新たに手形に関する記載を追加しても、実質的に前期の財務諸表の理解に影響はないと考えられるので、記載を追加するだけでよいのではないかと思いますが、どういった事例が出てくるのか注目したいと思います。

定性的事項に変更があった場合も、基本的は従来のように前事業年度と当事業年度という感じの記載ではなく、定性情報の中で前事業年度の内容について触れるというような記載になるのではないかと想像します。

(3)財務諸表全体との関連性の強い注記事項

ここでいう財務諸表全体との関連性の強い注記事項とは、財務諸表全体の数値を補足する重要な情報を意味し、以下のような注記が例として取り上げられていました。

・持分法損益の注記

・開示対象特別目的会社の注記

・関連当事者との取引に関する注記

・親会社又は重要な関係会社に関する注記

・セグメント情報等の注記

上記の事項についても考え方は(2)と同様で、定性的事項についでは内容に変更がなければ前事業年度分を重ねて記載する必要はなく、数値情報については前事業年度に係る注記情報を当事業年度と合わせて記載することが求められるということになります。

(4)性質上比較情報が不要と考えられる事項

これは、性質上比較情報制度になじまないもので、以下のような注記が例としてあげられていました。

・企業結合等に関する注記

・後発事象等に関する注記

・継続企業の前提に関する注記

特にこれということは書かれていませんでしたが、一つだけ記載しておくと、企業結合等に関する注記について「当事業年度に関する企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をより的確に理解するために前事業年度に生じた企業結合の内容が重要であるような場合も考えられるが、それは別途追加情報としての記載を検討すれば足り」るとされていました。

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