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計算書類の追加情報は強制or任意?-期末日満期手形は開示が必要か(その2)

前回の「追加情報」についての続きです。

「追加情報」については、会計士協会から監査・保証実務委員会実務指針第77号「追加情報の注記について」という実務指針が公表されています。
この実務指針は、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に対応して約1年前(平成23年3月29日)に改正されています。
この改正では、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の適用開始によって、「追加情報」として記載する可能性がなくなった「会計上の見積りの変更」及び「会計処理の対象となる会計事象等の重要性が増したことに伴う本来の会計処理への変更」が削除されています。

この実務指針では、「追加情報」を大きく以下の四つに分類されています。
(1)会計方針の記載に併せて注記すべき追加情報
(2)財務諸表等の特定の科目との関連を明らかにして注記すべき追加情報
(3)連結・中間固有の事項
(4)その他

期末日満期日手形の注記は上記の「(4)その他」に該当します。もう少し細かくみると、「(4)その他」は、さらに以下の二つに分類されています。
①期間比較上説明を要する場合
②後発事象に該当しないが説明を要する事項

期末日満期手形は上記の①の典型例の一つとして示されています。期末日満期手形以外では、「新規事業の開始・取引形態の変更などにより、財政及び経営の状況が前期と比較して大きく変化した場合」が例として挙げられています。

そして、期末日満期手形の追加情報の記載内容として「期末日が休日で、期末日満期手形残高が重要な場合は、入出金の会計処理を満期日又は交換日のいずれで行ったか及びその金額を、当該科目との関連を明らかにして注記する」としたうえで、以下の記載例が示されています。

「期末日満期手形の会計処理については、満期日に決済が行われたものとして処理しております。なお、当期末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形を満期日に決済が行われたものとして処理しております。
受取手形 ○○百万円  支払手形 ○○百万円」

ここで疑問に感じるとすれば、「満期日に決済が行われたものとして処理」してよいのかという点ではないかと思います。

一般的には、満期日ではなく実際の交換日(入金日)で会計処理を行っている会社が多いと思いますが、現行の会計実務上は満期日に決済が行われたものとして処理することも認められています。
実際に、満期日で処理を行っている会社に遭遇したことはありませんが、教科書的には満期日に受取手形を減額し預金を増額させる処理を行うこととされています。

なぜ、このような処理が認められているのかは残念ながらわかりませんが、このように満期日で決済があったものとして処理した場合、キャッシュ・フロー計算書上の取り扱いはどうなるのかが気になります。
預金をみなしで増額させる処理をする以上、それとの整合性からすればキャッシュ・フロー計算書上も回収があったものとして取り扱うことになるのではないかと考えられますが事例を調べてみることにします。

「満期日に決済が行われたものとして処理」している事例として、昭和電工(平成23年12月期)がありました。追加情報および連結キャッシュ・フロー計算書の注記として以下のように記載されていました。

キャッシュ・フロー計算書上、現金預金として取り扱っていないということであれば、キャッシュ・フロー・計算書の注記上、調整項目として記載されることになると考えられますので、やはり普通に回収があったものとして取り扱っていると考えられます。

ところで、12月31日が決算日の会社の場合、決算日は常に金融機関の休日に該当することになります。そのため、実際の交換日で期末日満期手形の処理を行っている場合には、前期と期間比較上説明が必要ではないので追加情報を記載する必要はないと考えられます、
一方で、「満期日に決済が行われたものとして処理」している会社は、処理が特殊なので、上記の昭和電工のように毎期追加情報の記載が必要となると考えられます。

会社法の計算書類においても、表示方法の変更を記載することが要求されていることからすると、計算書類が単年開示であることをもって期間比較性を担保するための追加情報が不要ということにはなりませんが、絶対に記載が必要かという観点でいえば前回のエントリで記載したように、記載したほうがベターというものと考えられます。

日々成長。

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