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計算書類の追加情報は強制or任意?-期末日満期手形は開示が必要か(その1)

平成23年3月31日は土曜日で金融機関の休日でした。したがって、3月決算の会社では追加情報として「期末日満期手形」の注記を行うかどうかを検討する必要が生じます。

そもそも「追加情報」を記載しなければならない根拠はどこにあるのかを確認しておくと、金商法ベースの開示では財規第8条の5(追加情報の注記)で「この規則において特に定める注記のほか、利害関係人が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる事項があるときは、当該事項を注記しなければならない」とされています。

また、連結財規では連結財規第15条で同様の規定が存在し、四半期(連結)財規にも同様の規定が存在します。

一方で、会社法ベースの開示ではどうなのかというと、「追加情報」という規定はありませんが、会社計算規則第116条で定められている「その他の注記」に含まれると解されています。

経団連のひな形では「16.その他の注記」の記載上の注意として「(2)例えば、以下のような会計基準等で注記すべきとされている事項や有価証券報告書提出会社が有価証券報告書で開示する事項について、重要性を勘案のうえ、記載することができる」として「⑤その他の追加情報の注記」が掲げられています。

一方で、記載上の注意(1)では「上記の個別注記表に記載すべき事項のほか、貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書により会社の財産又は損益の状況を正確に判断するために必要な事項を記載する」とされています。

強制なのか任意(容認)なのかよくわからないので、会社計算規則の条文を確認することにします。

会社法計算規則ではまず、第98条で「注記表は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない」として、第1項19号で「その他の注記」が掲げられています。
ちなみに、「その他の注記」については会計監査人非設置会社であっても、非公開会社であっても注記の省略は認められていません

ここでは、単に「区分して表示しなければならない」とされているだけなので、記載するとすれば「その他の注記」として記載しなければならないということを意味していると考えられます。

それでは、注記の内容についてはどのように規定されているのかというと、会社計算規則第116条で以下のように定められています。
「その他の注記は、第百条から前条までに掲げるもののほか、貸借対照表等、損益計算書等及び株主資本等変動計算書等により会社(連結注記表にあっては、企業集団)の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項とする。」

この規定だけだと分かりにくいので、他の注記の規定の仕方についても確認します。

損益計算書に関する注記については会社計算規則第104条で「関係会社との営業取引による取引高の総額及び営業取引以外の取引による取引高の総額とする。」と定められています。
また税効果の注記については会社計算規則第107条で「税効果会計に関する注記は、次に掲げるもの(重要でないものを除く。)の発生の主な原因とする。」と定められています。

上記からすると、財規のように「注記しなければならない」という表現にはなっていませんが、「・・・とする。」というのは「注記しなければならない」と読むのが妥当だと考えられます

であれば、会社計算規則第116条は「貸借対照表等、損益計算書等及び株主資本等変動計算書等により会社(連結注記表にあっては、企業集団)の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項を記載しなければならない」と読むのが妥当と考えられます。

そこで「正確に判断するために必要な事項」とは何かが問題となります。

この点について、一つの考え方としては、財規で要求されている事項を「正確に判断するために必要な事項」とするということが考えられます。
しかしながらこのように考えてしまうと、会社計算規則で要求されていないのに、財規で要求されている注記事項をすべて開示しなければならないということになってしまい、会社計算規則の意味がなくなってしまうので、この解釈は妥当ではないと考えられます。


このように考えていくと、結局のところ経団連のひな形にあるように「有価証券報告書提出会社が有価証券報告書で開示する事項について、重要性を勘案のうえ、記載することが
できる」と任意的開示事項ととらえるのが妥当ではないかと思います。

思いのほか長くなってしまったので、追加情報の詳細は次回以降に譲ります。

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