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出る杭はもっと出ろ!

”有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成24年3月版)”を読み直して

PCのフォルダを整理していたら「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成24年3月版)」のPDFファイルを発見しました。

そういえば、一読したような・・・

3月決算の場合、有価証券報告書の提出は来月となりますが、私のように何が書いてあったかを忘れてしまっている人もいるのではないかと思いますので、取り上げることにします。とはいうものの、今から注意が必要ということは特にはないように思います。

全部で6ページとなっていますが、主な柱は以下の三つです。

1.「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表を踏まえた連結財務諸表規則等の改正に関する留意事項

2.「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」等の交付に伴う税効果会計への影響についての留意事項

3.最近の課徴金事案、自主訂正事案を踏まえた留意事項

1.および2.については、記載例等でフォロー可能な内容だと思いますので、最後に簡単に内容を確認することとして、3.最近の課徴金事案、自主訂正事案を踏まえた留意事項の内容を確認していくことにします。

ただし、決算自体は既に完了しているはずなので、仮に思い当たる節があっても次年度以降の検討課題とするしかないと思いますが・・・

「3.最近の課徴金事案、自主訂正事案を踏まえた留意事項」として取り上げられているのは以下の3項目です。

(1)無形固定資産の減損について
(2)貸倒引当金の適切な計上について
(3)連結子会社等における会計処理について

(1)無形固定資産の減損について

無形固定資産の減損については、「最近の課徴金事案においては、特にソフトウェアやのれん等の無形固定資産についての減損不足が指摘されています。」とされています。
「のれん」の減損というと、直近ではオリンパスが思い出され、オリンパスを意識したのかな?と感じてしまいます。
しかしながら、「最近の課徴金事案において」ということなので、「ソフトウェアやのれん等の無形固定資産についての減損不足」で課徴金の支払いが命じられた事項がそんなにあるのだろうか?と疑問に感じたので、調べてみることにしました。

課徴金の支払いが命じられたケースについては、金融庁のHPで年度ごとに開示されているので、とりあえず「平成23年度課徴金納付命令等一覧」で内容を確認してみました。
すると、無形固定資産関連で課徴金の支払いが命じられたケースとして以下のものがありました。

①東京日産コンピュータシステム(株)(決定日:23年4月7日)
第20期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書で、ソフトウェア仮勘定に係る除却損失の過少計上等により、連結当期純損益が▲711百万円であるところを▲580百万円と記載した。
課徴金300万円

②SBIネットシステムズ(株)(決定日:23年5月31日)
あまり記憶にありませんが、結構派手にやっていたようで、第9期から第12期の過去4期におよぶ事案が課徴金の対象となっています。

ソフトウェアの過大計上も10期~12期で事由に挙げられていますが、第12期の内容だけ記載すると以下のようなものとなっています。
第12事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書で、ソフトウェアの過大計上等により連結純資産額が▲39百万円であるところを39百万円と記載した。
課徴金は、色々と重なって約1億1千万円となっています。

平成23年度で課徴金の対象となった33件をざっと確認したところ、ソフトウェア関連は上記の2件で、「のれん」等の無形固定資産の減損に関するものは見当たりませんでした。やはり「のれん」はオリンパスのインパクトが大きかったのではないでしょうか。

(2)貸倒引当金の適切な計上について

同様に、貸倒引当金についても平成23年度で課徴金の対象となった事案がどれくらいあったのかを確認したところ以下の3件が該当しました。

①(株)DPGホールディングス(決定日:23年6月23日)
第12期の有価証券報告書から第13期の第3四半期報告書における貸倒引当金の過少計上により1200万円の課徴金が命じられています。

②(株)fonfun(決定日:23年9月29日)
第13期第1四半期報告書から第15期第2四半期報告書における貸倒引当金の過少計上等により約2000万円の課徴金が命じられています。

③(株)京王ズホールディングス(決定日:24年3月16日)
第14期の有価証券報告書から第19期の第2四半期報告書における貸倒引当金の過少計上等により約4400万円の課徴金が命じられています。

平成23年度の課徴金の対象が33件ですが、このうち半分くらいはインサイダー取引によるもので、この他、大量保有報告書の不提出等を除くと、会計処理に起因するものは9件となります。

9件中3件が貸倒引当金関連ということなので項目として挙がるのも理解できます。

(3)連結子会社等における会計処理について

これについては、ざっとみた感じではどの事案が該当するのかは不明ですが、ソフトウェアや貸倒引当金でピックアップした事案が、子会社の処理によるものである可能性はあります。
結論としては、「経営者の皆様は、発行会社単体のみならず企業集団全体としての内部統制環境を整備し、このような不適切な会計処理が発生するリスクを抑えることに留意が必要です」ということですが、J-SOXってなんなんだろう・・・

長くなったので、割愛しようかという気になってきましたが、
“「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表を踏まえた連結財務諸表規則等の改正に関する留意事項”については、要約すると以下の注記を忘れずに!ということです。

①会計基準等の改正等に伴う会計方針の変更に関する注記

②会計基準等の改正等以外の正当な理由による会計方針の変更に関する注記
③未適用の会計基準等に関する注記
④表示方法の変更に関する注記
⑤会計上の見積りの変更に関する注記

具体的な記載内容は割愛します。

“「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」等の交付に伴う税効果会計への影響についての留意事項”についても、今さらという感じですが、税効果の計算に使用する税率に注意して下さいという内容です。

強いてあげるとすると、「期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期計上している会社等」であっても、スケジューリングによって適用する税率が異なるので注意が必要と書かれています。
特別復興法人税を加味した税率については、それを適用しても重要性が乏しいということで最終的な税率のみで長期項目を計算するということも交渉の余地はあるのではないかと思います。

日々成長。

 

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