menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 日給月給制とはなんですか?
  2. 2016年IPOは86社で7年ぶりの減少
  3. CGコード説明率が高いのは補充原則1-2④
  4. 有償新株予約権の会計処理の原案が明らかに
  5. 外貨建満期保有目的債券の期末換算処理
  6. 二社以上の取締役を兼務する場合の社会保険の取扱い
  7. 「会計税務委託料を必要経費と認めず」が昨年一番読まれた記事だったそうで…
  8. IFRS適用の国内子会社も実務対応報告18号の対象に
  9. 役員規程で取締役の辞任を制限できるか?
  10. 監査報告書原本の写しが添付されるようになると面白いかも
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

資格取得費が所得控除できるという特定支出控除って何?

税務通信の3215号(2012年6月4日)をパラパラと見ていたら、「特定支出控除による所得税軽減効果の年収別試算例」という記事が目にとまりました。

冒頭部分で以下のように記載されていました。

平成24年度税制改正では「特定支出控除制度」を見直し,①特定支出の一つである「資格取得費」の範囲に会計士,税理士等の資格取得費用を追加するとともに,②職務に関連する図書費,衣服費,交際費等の「勤務必要経費」を新たに追加している。平成25年分以後の所得税,平成26年分以後の個人住民税から適用される

『「資格取得費」の範囲に会計士,税理士等の資格取得費用を追加』???

しかし、そもそも「特定支出控除制度」というのは何だろう?

ということで、今回は「特定支出控除制度」なるものの内容を確認しました。

「特定支出控除制度」は、昭和62年度税制改正で創設された制度なので従来から存在する制度で、給与所得者が一定の支出をおこなった場合、その支出額を一定の範囲内で所得控除できるとする制度(所得税法57条の2)です。

1.特定支出の範囲の拡大

従来は、所得税法施行令167条の3において「給与所得者の特定支出の範囲」として以下の五つが認められていました。

①通勤費

②転任に伴う引越費用

③研修費

④資格取得費用

⑤単身赴任者の往復旅費

このうち、「資格取得費用」として認められる範囲が拡大したというのが冒頭で紹介した記事の前半部分の内容です。

従来の規定では、「人の資格(弁護士、公認会計士、税理士その他の人の資格で、法令の規定に基づきその資格を有する者に限り特定の業務を営むことができることとされるものを除く。)を取得するための支出で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの」(所得税法57条の2第2項4号)とされており、独立できそうな資格の取得費用は特定支出と認められていませんでした。

これが、改正後は「人の資格を取得するための支出で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの」とされ、対象となる資格の範囲が拡大されています。

また、平成24年度税制改正により所得税法57条の2第2項6号に「勤務必要経費」が追加されています。

条文の内容を要約すれば、上限を65万円として、書籍代や交際費で職務の遂行に直接費用であると給与の支払者が証明したものを特定支出として認めるというものと言えます。

条文も記載しておくと、以下のようになっています。

六 次に掲げる支出(当該支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限る。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの

イ 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものとして政令で定めるもの及び制服、事務服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服で政令で定めるものを購入するための支出

ロ 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

2.特定支出控除の判定要件の緩和

現行の制度では、一定の要件の下、特定支出が給与所得控除を上回った場合に限りその超過分を追加で控除できることとされているものが、、改正後は、特定支出が給与所得控除額の2分の1相当額を上回ったのであればその超過分を給与所得控除に加算できることとなりました。

この制度を知らないで損していたかもしれないと思いましたが、現行の制度の場合、給与所得控除を上回った分のみなので、この制度により追加で控除が生じることはあまりないのではないかと思います。

「年収別試算例」(単身者を前提)では、給与収入300万円~800万円の場合の試算結果が示されていますが、給与収入300万円の場合に給与所得控除は108万円、同じく400万円の場合に134万円です。

現行の制度は、この給与所得控除を上回った差分だけが追加で控除できるわけですから、100万円以上の支出がなければならず、該当するようなケースは稀ではないかと思います。

平成24年度税制改正により、この基準が従来の半分になるわけですが、そうであったとしても、給与収入300万円の場合で54万円、同じく400万円の場合で67万円を超える支出が必要です。

弁護士や会計士の講座をフルセットで申し込めば、これくらいの金額は超えるかもしれませんが、追加で受けられる控除が数万円というレベルではないかと思います。

一見すごい改正かと思いましたが、そうでもなさそうで、期待外れの内容でした。

日々成長

関連記事

  1. 平成24年税制改正(その1)-法人税及び租税特別措置法

  2. 200%定率法の経過措置と資本的支出の耐用年数

  3. 固定資産税価額が不明な場合の社宅家賃の考え方

  4. 復興特別所得税の区分処理方法(その2)

  5. 36982537_xl

    会社役員賠償責任保険と費用負担

  6. 51921490_xl

    マンション屋上の携帯電話アンテナ設置料収入の取り扱い

コメント

    • ごりまっちょ
    • 2015年 2月 10日

    すいません。おはつで相談させていただきます。

    今税理士資格取得を目標に勉強している会社員です。
    高卒のため、資格取得要項を満たすために今は簿記の1級取得を目指しています。

    そこで質問です。
    上記条文にある「人の資格」には簿記は含まれるのでしょうか。また、「給与の支払者が証明したもの」の様式はあるのでしょうか?

    宜しくお願いします。

      • MAK
      • 2015年 2月 11日

      ごりまっちょさん

      こんにちは。

      範囲の拡大が実施される前に国税庁が作成した「給与所得者の特定支出控除について」では、
      特定支出控除の対象となる資格として「簿記や珠算、英語の検定資格、栄養士や調理師の資格、
      運転免許、危険物取扱者免許など」とされていましたので、簿記も含まれるということになると思います。
      もちろん、簿記資格の取得が職務の遂行に必要であることが前提となります。
      (以下URLを参照して下さい)

      https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2012/pdf/18.pdf

      また、様式については下記URL(国税庁)の様式4を使用することになると思います。
      https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/871222/01.htm

      それでは、頑張ってください。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る