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ソフトウェアの有姿除却(税務)は可能か

ソフトウェアの除却については”ソフトウェアの有姿除却(会計)”というエントリで会計上の取り扱いは書いたので、今回は税務上の取扱いについて確認します。

法人税法基本通達7-7-2の2では、ソフトウェアの有姿除却について以下のように述べられています。

(ソフトウエアの除却)

7-7-2の2 ソフトウエアにつき物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、次に掲げるように当該ソフトウエアを今後事業の用に供しないことが明らかな事実があるときは、当該ソフトウエアの帳簿価額(処分見込価額がある場合には、これを控除した残額)を当該事実が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。(平12年課法2-19「九」により追加)

(1) 自社利用のソフトウエアについて、そのソフトウエアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、当該ソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合、又はハードウエアやオペレーティングシステムの変更等によって他のソフトウエアを利用することになり、従来のソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合

(2)バージョンアップ等により、今後、販売を行わないことが社内りん議書、販売流通業者への通知文書等で明らかな場合

上記では、明確に「物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても」と記載されていますので、税務上も有姿除却は可能となっています。また上記(2)からすると、除却の経緯を説明できる資料の保存が必要となります。

販売していたものの販売を中止するというようなケースは比較的わかり易く、上記のような販売流通業者への通知などもあると思います。

困るのは、開発途上のソフトウェアを除却したい場合です。例えば、A社でシステムの開発を進めていたところ意図した途中で問題が発生して開発が頓挫し、その後B社で同様のシステムを開発することになったような場合です。
このような場合、A社での作業が全くB社の開発に役に立たないのであれば、躊躇することなく除却することができますが、開発工数を削減するためA社の作業の一部がB社の開発に引き継がれるような場合は、A社の開発で資産計上されていた部分を全額除却損として計上するのは難しいと考えられます。

このような場合に、引き継がれる分の資産計上分が明確に算出できれば対応しやすいですが、必ずしもそのような対応が可能な資料がないことも考えられます。先方からの見積書や契約書で作業別にどれくらい細かく記載されているか次第ということになってしまいますが、詳細な記載がない場合には、後で除却損が否認される可能性を考慮して資産計上とすべき金額を大きく残すという判断が無難ということになってしまします。

一方で、会計上は資産性がない部分は残すなというスタンスで判断されますので、会計と税務の観点で経理担当者は頭を悩ませることになります。会計上、資産性が疑わしいものを費用(損失)計上することに対しては比較的認められやすいので、会計上は除却損を計上し、税務上は加算するというのがありがちな結論となります。

万一開発に失敗した際に、税務上不利益を被らないようにするという観点からも見積書や契約書の記載内容に注意が必要となると考えられます。ERPの導入は、金額も大きくなりがちで、かつ思うように機能しないという事例もあるので、特に注意が必要ではないかと思います。

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