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減資の会計処理

前回は減資の手続きについて触れたので、今回は減資の会計処理について確認します。

税務上は、有償減資の際のみなし配当など気を付けなければならない点がありますが、会計上の処理は特に難しくはありません。なお、税務については次回以降に確認することにします。

まず、簡単な設例で仕訳から確認します。

(前提)

資本金50,000千円のA社は、繰越利益剰余金△30,000千円を填補するため、臨時株主総会で資本金40,000千円を減少し、繰越利益剰余金の欠損を填補することを決議した。

この場合の仕訳は以下のようになります。

特に疑問を感じることもないかもしれませんが、敢えてポイントをあげるならば、繰越利益剰余金以上に取り崩した資本金(上記の例では10,000千円)は、その他資本剰余金として処理されます。

これは、自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準(企業会計基準第1号)の第20項において以下のように定められているためです。

20. 資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金は、減少の法的効力が発生したとき(会社法(平成17年法律第86号)第447条から第449条)に、その他資本剰余金に計上する。

なお、同19項では資本剰余金と利益剰余金の混同の禁止が定められています。すなわち、「資本剰余金の各項目は、利益剰余金の各項目と混同してはならない。したがって、資本剰余金の利益剰余金への振替は原則として認められない。」とされています。

減資は、資本金→その他資本剰余金→その他利益剰余金という流れで振り替わっていると考えられるので、上記の原則に反するように見えますが、この点については基準の61項で以下のように述べられています。

この考えに基づくと、資本剰余金の利益剰余金への振替は原則として認められない。ただし、利益剰余金が負の残高のときにその他資本剰余金で補てんするのは、資本剰余金と利益剰余金の混同にはあたらないと考えられる。もともと払込資本と留保利益の区分が問題になったのは、同じ時点で両者が正の値であるときに、両者の間で残高の一部又は全部を振り替えたり、一方に負担させるべき分を他方に負担させるようなケースであった。負の残高になった利益剰余金を、将来の利益を待たずにその他資本剰余金で補うのは、払込資本に生じている毀損を事実として認識するものであり、払込資本と留保利益の区分の問題にはあたらないと考えられる。

つまり、負の残高以下の振替である限りは資本剰余金と利益剰余金の混同にはあたらないということになります。逆に言うと、上記の例において、減額した資本金50,000千円を全額その他利益剰余金に振替えることは認められないということになります。

最後に、減資を行った場合の株主資本等変動計算書の事例を探したところ、ビジネス・ワンホールディングス㈱の以下の事例がありました。

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