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「ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる」を読んで。

「ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる」(山田昭男 著)、なんとも興味を引くタイトルです。表紙の著者名の横に「未来工業」とあり、この会社名に見覚えがありました。

というのは、坂本光司氏の「日本でいちばん大切にしたい会社2」で紹介されていた会社だったためです。岐阜県の建築電気設備を製造している会社で、同書では”「日本でいちばん休みの多い会社」だから不況知らずの会社になれる”というタイトルが付けれられていました。

その未来工業の創業者の一人で、現在は未来工業株式会社の取締役相談役である山田氏が書いているのが冒頭の「ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる」という書籍です。

「日本でいちばん大切にしたい会社2」でも取り上げられていたこと重なる部分もありますが、面白いと思った点を紹介します。

(1)残業は原則禁止

未来工業㈱の就業時間は午前8時半から午後4時45分で、原則残業禁止だそうです。理由は、①ドケチで有名な山田氏としては、基本給の25%割増となる給料を払いたくないため②終始仕事に追われ、一度きりの人生を棒に振るような人間になってほしくないため、と述べられています。

従業員がきちんとついてくるのは①というよりは②が本音だからではないかと思います。ちなみに、「日本でいちばん大切にしたい会社2」によれば、「劇団未来座」を立ち上げて芝居の稽古に明け暮れ、その片手間に家業の手伝いをしていた二人の若者(山田氏ともう1名の創業者)が、いつまでの遊び半分で仕事をしていてはならないと一念発起して起業したのが未来工業だったと紹介されています。

このように仕事以外に打ち込んでいた演劇というものがあったことが、「終始仕事に追われ、一度きりの人生を棒に振るような人間になってほしくない」という考え方に影響しているのではないかと思います。

なお、7時間15分しか働かないことの効用としては、かなり効率的に働かなければならないため仕事の効率が上がることとしています。

(2)成果主義は採用しない

未来工業では成果主義を採用するつもりは金輪際ない、と述べられています。これは、人を公平に評価することなどできるわけがないという考え方によっているためとのことです。つまり、普通の人は、いくら仕事ができる部下でも自分に懐こうとしない若手よりも、自分に従順な部下の方が可愛く、そんな人間が公平な評価をするのは無理という考え方です。

では、どのような制度をとっているのかというと、年功序列の終身雇用制度です。頑張って働いても、頑張らなくても給料が同じだとモチベーションが上がらないという意見に対しては、アメリカ人はともかく、日本人は必ずしもそうではないという考え方をされています。というのは、日本人は安定を好み、成果によって収入が変動する評価制度は歓迎されないとされています。

年功序列の終身雇用制度を維持すべきか否かについては、会社の状況がそもそも年功序列の終身雇用を維持できなくなっているケースもあるため、一概にどちらが正解とも言えないように思います。

(3)ズル休みしても給料を満額支払う

未来工業にはタイムレコーダーがないそうで、従業員には嘘をついてもいいと宣言しているそうです。「嘘をついてもいい」といわれると誰もやらないのが日本人で、かえって自分たちが信頼されていると感じて仕事を頑張るようになるとしています。

逆の意味でタイムレコーダーがない会社は数多くありそうですが、本当に残業が禁止されているのであれば、タイムレコーダーがなくても問題となることはないのでしょう。ただ、労務管理上はやはりきちんと出退勤を管理したほうがよいのではないかと考えてしまうのは、ある種の職業病でしょうか・・・

以上以外にも、色々と述べられていますが、未来工業のスローガンである「常に考える」ということが非常に重要なことなのではないかと思います。

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