menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 日給月給制とはなんですか?
  2. 2016年IPOは86社で7年ぶりの減少
  3. CGコード説明率が高いのは補充原則1-2④
  4. 有償新株予約権の会計処理の原案が明らかに
  5. 外貨建満期保有目的債券の期末換算処理
  6. 二社以上の取締役を兼務する場合の社会保険の取扱い
  7. 「会計税務委託料を必要経費と認めず」が昨年一番読まれた記事だったそうで…
  8. IFRS適用の国内子会社も実務対応報告18号の対象に
  9. 役員規程で取締役の辞任を制限できるか?
  10. 監査報告書原本の写しが添付されるようになると面白いかも
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

自己創設営業権は時価評価対象資産に該当するか?

今回は、自己創設営業権の時価評価についてです。これが問題となるのは、連結納税の開始に伴う資産の時価評価を実施する場合です。なお、会計上は、営業権の計上は有償で取得したものに限られるので、自己創設営業権が計上されることありません。

1.自己創設営業権は時価評価対象資産に該当するか

連結納税開始時の時価評価については、以前”連結納税(その5)-連結納税のデメリットは?”というエントリで簡単に記載しましたが、一定の法人については、連結納税開始時に保有している一定の資産について時価評価を行い、時価と帳簿価額との差額を、連結納税開始直前事業年度の益金の額又は損金の額に算入しなければならないとするものです。

つまり、一定の法人(以下「時価評価対象法人」という)に該当し、時価評価すべき基準に該当する資産を保有する場合に時価評価が必要となります。

一定の法人の要件については、ここでは詳細は割愛しますが、とりあえず、連結親法人となる法人との間に完全支関係が生じてから5年未満の法人と考えておけばよいと思います。
一方で、時価評価対象資産とは、時価評価対象法人が有する以下の資産のうち、連結納税開始・加入時の含み損益が資本金等の額の2分の1又は1,000万円のいずれか少ない金額以上のものをいうとされています。

・固定資産

・土地等

・金銭債権

・有価証券

・繰延資産

ここで「営業権」について考えると、営業権は無形固定資産であるため、上記の「固定資産」に該当し、要件を満たせば時価評価が必要な資産となります。この点について、過年度に有償取得した営業権が計上されているような場合に、その営業権を時価評価し直してみるということについては、それほど違和感を感じません。問題は、子法人のBSに計上されていない自己創設営業権も上記の固定資産に該当するのかです。

結論からすると、自己創設営業権についても、時価評価対象の固定資産に含まれると解されています。

この点を考える際に思い浮かぶものとして、非適格合併等があった場合の税務上の「のれん」の計算方法があります。この場合、「独立した資産として取引される慣習がある」営業権は別個の資産として認識しなければならなりません。
 自己創設営業権の場合、通常「独立した資産として取引される慣習」はないと考えられるものの、残念ながら、この規定は連結納税における時価評価対象資産の規定には及びませんので、自己創設営業権は時価評価対象資産たる固定資産に含まれると考えられます。

まとめると、5年以内にプレミアムを払って取得した完全子会社がある場合に連結納税を開始する場合、その子会社の自己創設営業権の時価評価が問題となる可能性があると考えておけばよいと思います。なお、自己創設営業権の場合、子法人のBSにおける帳簿価額は0なので、評価額=評価益ということになります。したがって、資本金等の額で異なる可能性はあるものの、基本的には、この評価額が1,000万円以上の場合に要注意と考えておけばよいと思います。

2.自己創設営業権の時価評価はどのように行うか

自己創設営業権も時価評価対象資産に該当するとすると、問題となるのは自己創設営業権の時価とは何か?です。

時価評価対象資産の時価の意義については、法人税法基本通達12の3-2-1において以下のように定められています。

(連結納税の開始等に伴う時価評価資産に係る時価の意義)
12の3-2-1 法第61条の11第1項《連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益》又は第61条の12第1項《連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益》の規定を適用する場合における「時価評価資産のその時の価額」は、当該時価評価資産が使用収益されるものとしてその時において譲渡されるときに通常付される価額によるのであるが、次に掲げる時価評価資産について、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる方法その他合理的な方法により当該時価評価資産のその時の価額を算定しているときは、課税上弊害がない限り、これを認める。(平15年課法2-7「四十」により追加、平19年課法2-3「三十三」、平19年課法2-7「十一」、平19年課法2-17「二十三」により改正)

(1) 減価償却資産

イ 令第13条第1号から第7号まで《有形減価償却資産》に掲げる減価償却資産 9-1-19《減価償却資産の時価》に定める方法により計算される未償却残額に相当する金額をもって当該減価償却資産の価額とする方法

ロ 同条第8号《無形減価償却資産》及び第9号《生物》に掲げる減価償却資産 当該減価償却資産の取得価額を基礎としてその取得の時から法第61条の11第1項に規定する連結開始直前事業年度(以下12の3-2-1において「連結開始直前事業年度」という。)又は法第61条の12第1項に規定する連結加入直前事業年度(以下12の3-2-1において「連結加入直前事業年度」という。)終了の時まで旧定額法により償却を行ったものとした場合に計算される未償却残額に相当する金額をもって当該減価償却資産の価額とする方法

(以下省略)

ごちゃごちゃ書いてありますが、まとめると、減価償却資産については、その資産の取得価額を基礎として、その取得の時から連結開始・加入直前年度まで旧定額法により償却した時の未償却残高を時価とすることができるということになっています。

であるとすると、自己創設営業権の取得価額は0だから時価は0でいいのでは?ということになりますが、上記の通達では「課税上弊害がない限り、これを認める。」とされている点が問題となります。
 例えば、1年前に相当額のプレミアムをのせて買収した完全子会社があるような場合、対象子会社には評価すべき自己創設営業権が存在する可能性が高く、このような場合に営業権を評価しないことに対して「課税上の弊害がない」というのは難しいと考えられます。

では、自己創設営業権の時価をどのように評価すべきかですが、法人税法上、他の時価評価対象資産のような評価方法は明示されていません。つまり、どう評価すべきかは自分で考えるしかないという状況にあります。評価方法が定めれれていない位だから、自己創設営業権はやはり時価評価しなくてもいいのでは?という考え方もありえますが、解釈上、自己創設営業権が時価評価対象資産に含まれないとは断言できない以上、税務上のリスクを勘案すると時価評価しないという選択はなかなか取りにくいといえます。

そこで、実務的には会計事務所等に依頼して営業権の時価評価を行ってもらうというのが一般的なように思います。繰返しになりますが、法人税法上は評価方法が明確になっていないので、会計事務所等の評価が妥当かどうかはわかりませんが、逆に言えば、きちんとしたロジックで算出された営業権の額を否定する根拠もありませんし、そもそも0という選択もあり得なくはない点を考慮すれば、それなりの根拠で営業権が評価され資産に計上されていれば、あまり問題になることはないのではないかと思います。

日々成長

関連記事

  1. 日本のサラリーマンには夢はないか?-平成26年税制改正

  2. 40193948_xl

    5000円以下の飲食費も税務調査の重要ポイント-税務通信

  3. 20674818_xl

    事業所税の確認(その2)

  4. 非支配目的株式等の継続保有要件はやはり設けられないようです

  5. 小規模企業共済制度の改正

  6. 27321611_xl

    事業譲渡と会社分割の違いは?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る