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ゴルフ会員権の処理(その2)ー株主会員制ゴルフ会員権評価損の法人税法上の取扱い

会計上は、株式方式と預託金方式の場合で、評価損を計上するか預託金部分については貸倒引当金を計上するかの違いがありますが、いずれにしても実質的に減価した部分について損失計上することになります。

一方で、法人税法上の取扱いは対象となるゴルフ会員権が株主会員制ゴルフ会員権であるか預託金会員制ゴルフ会員権であるかによって取扱いが異なっています。

1.株主会員制ゴルフ会員権

“ゴルフ会員権の処理(その1)-ゴルフ会員権の種類”で記載した通り、株主会員制ゴルフ会員権は有価証券たる株式であるという特徴があります。そして、有価証券であるため、法人税法上は著しい価値の下落がある場合に評価損の計上が認められています。

最初に問題となるのは、仲介業者で形成されるゴルフ会員権相場というものが時価として認められるのかですが、法人税法上はゴルフ会員権相場は時価とは認められていません。したがって、取得価額と大手仲介業者の会員権相場を比較して50%以上下落していても、それをもって評価損を損金算入することはできません。

そのため、法人税法上は、上場有価証券等以外の有価証券として発行法人の資産状態が著しく悪化したことにより、その価額が著しく低下した場合に評価損を損金算入することが可能となります。この点について法人税法基本通達9-1-9では以下のように定められています。

9-1-9 令第68条第1項第2号ロ《上場有価証券等以外の有価証券の評価損の計上ができる事実》に規定する「有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したこと」には、次に掲げる事実がこれに該当する。(昭52年直法2-33「7」、昭54年直法2-31「三」、平11年課法2-9「十」、平12年課法2-7「十六」、平16年課法2-14「八」、平17年課法2-14「九」、平19年課法2-3「二十一」、平21年課法2-5「七」、平22年課法2-1「十七」により改正)

(1) 当該有価証券を取得して相当の期間を経過した後に当該発行法人について次に掲げる事実が生じたこと。

イ 特別清算開始の命令があったこと。

ロ 破産手続開始の決定があったこと。

ハ 再生手続開始の決定があったこと。

ニ 更生手続開始の決定があったこと。

(2) 当該事業年度終了の日における当該有価証券の発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額が当該有価証券を取得した時の当該発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額に比しておおむね50%以上下回ることとなったこと。

(注) (2)の場合においては、次のことに留意する。

1 当該有価証券の取得が2回以上にわたって行われている場合又は当該発行法人が募集株式の発行等若しくは株式の併合等を行っている場合には、その取得又は募集株式の発行等若しくは株式の併合等があった都度、その増加又は減少した当該有価証券の数及びその取得又は募集株式の発行等若しくは株式の併合等の直前における1株又は1口当たりの純資産価額を加味して当該有価証券を取得した時の1株又は1口当たりの純資産価額を修正し、これに基づいてその比較を行う。

2 当該発行法人が債務超過の状態にあるため1株又は1口当たりの純資産価額が負(マイナス)であるときは、当該負の金額を基礎としてその比較を行う。

つまり、期末における1株当たり純資産価額がおおむね50%以上下回っている場合に評価損を損金算入することができると考えられます。しかしながら、ゴルフ場経営母体の決算書を取り寄せて財政状態を検討し、仮に1株当たり純資産価額が下落していることが確認できても、いったい評価損をいくらとするのかについては難しいところです。というのは、期末時点の1株あたり純資産価額が「事業年度終了の時における当該資産の価額」(法人税法33条2項)であるとは限らないためです。

法人税法基本通達9-1-13「(上場有価証券等以外の株式の価額の特例)」では、資産の評価換えによる評価損の損金算入の規定を適用する場合の株式の価額について「売買実例のあるもの」については、「当該事業年度終了の日前6月間において売買の行われたもののうち適正と認められるものの価額」を使用することができるとされています。ただし、何をもって「売買の行われたもののうち適正と認められるもの」を選定できるのかは明らかにされていないので判断が難しいと思います。

一方で、上記通達の(4)では「(1)から(3)までに該当しないもの」については「当該事業年度終了の日又は同日に最も近い日におけるその株式の発行法人の事業年度終了の時における1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」を使用することができるとされています。これもなかなか難しいですが、「1株当たりの純資産価額等を参酌して」というのであれば、取得価額×(期末時点の1株当たり純資産/取得時の1株当たり純資産価額)で期末の価額とするという方法も考えられるのではないかと思います。

株式方式のゴルフ会員権の評価損については以上ですが、大多数のゴルフ会員権は預託金方式がとられているので、上記が適用になるケースが限定されるという点に注意が必要です。

いずれにしてもよく税理士と相談したほうがよさそうです。

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