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ゴルフ会員権の処理(その3)ー預託金会員制ゴルフ会員権評価損の法人税法上の取扱い

前回に引き続き、今回は預託金方式の会員権評価損の法人税法上の取扱いについてです。現在流通しているゴルフ会員権の大部分はこの方式がとられているので、関係するケースが多いのではないかと思います。

預託金方式の場合の法人税法の処理を考える際の注意点は、預託金を単純な金銭債権とは考えてはならないという点です。会計的観点からすれば「預託金」は当然のごとく金銭債権と考えてしまいますし、現に、金融商品会計基準においても預託金部分の減損は貸倒引当金で対応することとされています。しかしながら、法人税法上も同様に考えると間違ってしまうという落とし穴があります。

2.預託金会員制ゴルフ会員権

預託金会員制ゴルフ会員権の性格は、①優先的施設利用権と②預託金返還請求権の二つを併せ持ち、不可分に結びついたものと言われています。

この特徴が曲者で、これにより法人税法基本通達9-7-12の注では以下のように述べられています。

(注) 預託金制ゴルフクラブのゴルフ会員権については、退会の届出、預託金の一部切捨て、破産手続開始の決定等の事実に基づき預託金返還請求権の全部又は一部が顕在化した場合において、当該顕在化した部分については、金銭債権として貸倒損失及び貸倒引当金の対象とすることができることに留意する。

つまり、「退会の届出、預託金の一部切捨て、破産手続開始の決定等の事実」がなければ、預託金は法人税法上、金銭債権とは取り扱われないということになります。一方で、上記のような事象が生じると、預託金返還請求権が顕在化して金銭債権として貸倒引当金の繰入が認められることになります。

なお、民事再生法による再生手続き開始の申立てが行われた場合で、プレーが継続できる状態にある場合においては、優先的施設利用権がまだ生きおり、預託金返還請求権のみの単なる金銭債権ではないため貸倒引当金の繰入額を損金算入することはできません。

もっとも、平成23年税制改正によって法人税法上、貸倒引当金制度が原則として廃止されているので、今後も貸倒引当金が認められる一定の法人等以外では「破産手続開始の決定」や「再生手続開始の申立て」によって50%を損金算入するということは、いずれにしてもできないということになります。

いずれにしても、法人税法上、預託金部分を損金算入できるケースはかなり限定されるので、会計で計上された損失を税務上は加算しておくということになることが多いということになりそうです。

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