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厚生年金基金の実態と廃止に向けた問題は?(その1)

今月の2日に厚生労働省が厚生年金基金を10年で廃止する改革案を社会保障審議会年金部会の専門委員会に提示したと大々的に報道されました。

会計的には、代行返上ブームの再来か?なんてことが頭をよぎりましたが、一方で大企業は既に代行返上して確定給付企業年金等に移行しているような気もするということで、厚生年金基金の状況について確認してみることにしました。

読み飛ばしていましたが、ビジネスガイドの2012年5月号で「中小零細企業が抱える”厚生年金基金問題”の実態と講ずべき対策」という特集が組まれており、厚生年金基金の状況がまとめられていました。

1.厚生年金基金の現況

まず、平成23年度企業年金実態調査に回答した575基金の実況数字から作成したという資料から厚生年金基金の現況は以下のようにまとめられています。なお、下記基金数合計は575基金ですが、平成24年3月1日現在での基金数は578基金とされています。

上記からすると、上場しているような企業は代行返上により確定給付企業年金等に移行しているのかと思いきや、「厚生年金基金」で有価証券報告書の退職給付関係の注記(連結)で検索してみたところ953件がヒットしました。その内容を見ていくと、結局大半の会社が総合型の厚生年金基金に加入していました。同様に「連合型厚生年金基金」で検索してみたところ、ひかかったのは、㈱スカパーJSATホールディングス1社でした。

というわけで、総合型は1社あたりの加入者数が37人と中小企業ばかり加入しているかのようみえますが決してそんなことはないということがわかりました。

2.厚生年金基金の財政状況

まず設立形態毎に平均年金給付額を確認しておくと以下のようになっているとのことです。

上記から、厚生年金基金が本当に有効に機能しているのは単独型だけというようにみえます。あくまで平均ベースでということになるものの、総合型に至っては上乗せ部分の平均は7万3000円にすぎず、月平均にすれば約6千円にすぎません。

さて、次に財政状況ですが、平成22年度末時点において厚生年金基金全体では積立不足が1兆4000億円になっているとのことです。これを設立型別にみると以下のようになっています。

上記から明らかなように、積み立て不足の大部分は総合型厚生年金基金から発生しており、総合型の積み立て不足額を加入員一人当たりに換算すると約33万円の不足と計算されます。ただし、一人あたりの不足額という意味では単独型で一人当たり約30万円、連合型で一人当たり約21万円なので、総合型も連合型も一人あたりの不足額ではそれほど差はないと言えそうです。

今回はここまでにます。

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