menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 「一般被保険者」の定義解釈を誤り税理士に損害賠償請求
  2. 有給休暇を入社日に分割付与した場合の次年度分の付与日はいつ?
  3. 株主総会資料の電子提供は総会開催日の3週間前からとなる見込み
  4. 有償新株予約権の実務報告-68社中66社が経過的取扱いを採用
  5. 「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定の再一任」の見直し案
  6. 株主総会の基準日変更-今年は0社(全株懇調査)
  7. SMBC日興証券の元社員がインサイダー取引関与の疑いで逮捕
  8. 外国人従業員が配偶者が複数いると申告してきたらどうする?
  9. 日本取引所のCEOが内規に違反し投資-このタイミングで公表は果たして・…
  10. 年末調整後に配偶者の合計所得見積額が違っていたと従業員が申告してきたら…
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

事業譲渡と会社分割の違いは?

2012年12月号の税経通信で「事業譲渡」の特集が組まれていました。その特集の中の「第三者への事業譲渡を選択した場合の実務上の留意点」(吉田 博之氏)で、来年3月に中小企業金融円滑化法が終了することにより、金融機関の出口戦略のスキームの一つとして事業譲渡が増加することが予想されるとされていました。

そこでは、「東京商工リサーチの調査によると中小企業の約1割が中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予の申請を行っており」と紹介されていました。東京商工リサーチが2012年7月23日に公表した「国内410金融機関(2012年3月末時点) 「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予の実績調査」をHPで確認してみると、確かに以下のような記述が確認できました。

中小企業等の申込件数327万5,268件に対して、仮に1社が3行に平均2.5回(口)の条件変更等を申し込んだと仮定すると、43万6,702社が申請したことになる。
 これは普通法人260万836社(国税庁2010年度普通法人数)と個人事業者の消費税の納税申告件数132万8,409社(2010年度)の合計392万9,245社の11.1%が申し込んだ勘定で、単純計算だが広く浸透していることがわかる。
(出典:東京商工リサーチ 「国内410金融機関(2012年3月末時点) 「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予の実績調査」より一部抜粋」

中小企業白書2011年版によれば、中小企業は企業数全体の99.7%を占めるとされており、その約1割が中小企業円滑化法のお世話になっているというということから来年3月以降の出口戦略の重要性が感じられます。確かに書店でも「出口戦略」についての書籍を目にすることも多いようにおもいます。

事業譲渡と会社分割は似たような結果をもたらしますが、両者にどのような違いがあるのかについて「第三者への事業譲渡を選択した場合の実務上の留意点」で述べられていたのでまとめておきます。

まず、会社分割と事業譲渡の相違点が、以下の図にまとめられていました。

上記の図のとおり、グループ内での再編では、税務上の取扱いの違いから会社分割が用いられることが多いと思います。つまり、税制適格要件を満たしている限り時価評価すれば評価益が生じる場合であっても簿価での引き継ぎが認めれますし、消費税の点でも課税取引とは取り扱われませんので税務上のメリットが大きいといえます。さらに登録免許税や不動産取得税も軽減措置もバカになりません。

一般的に、税務上のメリットという観点では会社分割の方が有利ということになりそうです。ただし、保有している土地の大きな含み損を実現させたいというような場合には事業譲渡を選択することも考えられます。

次に手続的な面で考えると、事業譲渡は譲渡される資産・負債が個別承継されるため債権者・債務者と個別に契約変更等を行っていかなければなりません。これに対して会社分割は包括承継なので個々に契約を見直していくというような手間はかかりません。したがって、この点でいえば、会社分割の方が事業譲渡よりも手間がかからないといえます。

しかし、会社分割もいいことばかりではありません。上記のような包括承継が認められるのは、その前提として債権者保護手続や他の手続きが必要とされているためで、その手続を行うために時間がかかります。つまり、会社分割の場合は「未上場会社であっても通常、2ヶ月~3カ月の期間を要する」とされている一方で、事業譲渡であれば債権者保護手続は不要なため迅速に行うことが可能となっています。完了までに要する時間という点では一般的に事業譲渡に分があるといえます。

会社分割の場合の手続としては、以下のようにまとめられています。

分割法人、分割承継法人のそれぞれの取締役会の決議を経て、分割契約書を締結(吸収分割)、又は分割法人の取締役会の決議を経て(新設分割)、分割計画書を作成する(新設分割)。その後、債権者保護手続(1カ月以上)、株式提出手続(株券発行会社のみ)、株式買取請求手続を経て、会社分割の効力が発生しる。また、会社分割の場合には、会社分割に伴う労働者の保護のため「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」(通称、労働承継法)により、分割法人が労働者等との事前通知および協議を求め、労働者に異議申し立ての機会を与えており、その協議が分割承認の株主総会の会日の2週間前までに行う必要がある。さらに、株式買取請求手続として、会社分割を行う法人は、効力発生日の20日前までにその株主に会社分割をする旨を通知する必要がある。これらの手続を経るためには、非上場会社であっても通常、2ヶ月~3カ月間の期間を要する。

最後に許認可が必要な事業の場合に、事業譲渡の場合は再度許認可を受ける必要がありますが、会社分割の場合は形式的な手続きで再取得が可能となっているケースが多く、この点においても会社分割の方が有利となっています。

両者のメリット・デメリットを理解してスキームを選択するのが重要といえます。

日々成長

関連記事

  1. 平成24年税制改正(その1)-法人税及び租税特別措置法

  2. 「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の公開草案

  3. 新興国ではこのような課税問題に気を配る必要があるそうです-経済産…

  4. 平成25年度税制改正-中小企業向け改正点の確認

  5. 更正の請求範囲の拡大

  6. 所得拡大促進税制の確認(その5)-平均給与等支給額

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る