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転換社債型新株予約権付社債の発行者の会計処理(日本基準)

今回は転換社債型新株予約権付社債の会計処理について確認します。

単に「転換社債」といった方がしっくりくる方もいるかもしれません。転換社債型新株予約権付社債と転換社債は経済実質的には同様のものですが、転換社債は平成13年改正旧商法施行前の決議によって発行されたものをいいます。

まず、転換社債型新株予約権付社債の発行者の会計処理ですが、「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第17号)の第18項において、転換社債型新株予約権付社債の発行者の会計処理は以下のように定められています。

18. 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額は、次のいずれかの方法により会計処理する。
(1) 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分せず、普通社債の発行に準じて処理する(一括法)。
(2) 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分した上で、社債の対価部分は普通社債の発行に準じて処理し、新株予約権の対価部分は新株予約権の発行者側の会計処理(第4項参照)に準じて処理する(区分法)。

結局のところ、転換社債型新株予約権付社債の場合は、社債本体部分と新株予約権部分を区分する必要性が乏しいため一括法も区分法も認められているということです。そうなると、通常はより簡単な新株予約権部分を区分しない「一括法」が採用されることになると思います。年のため加えておくと、上記で太字にしたように一括法が認められるのは、転換社債型新株予約権付社債の場合のみで、転換社債型新株予約権付社債以外の新株予約権付社債は区分法による処理が必要とされています。

そして、区分法を採用する場合に、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分する方法としては以下の二つの方法が認められています(金融商品会計基準 注15)。

①社債及び新株予約権の払込金額又はそれらの合理的な見積額の比率で配分する方法

②算定が容易な一方の対価を決定し、これを払込金額から差し引いて他方の対価を算定する方法

一括法を前提として転換社債型新株予約権付社債の発行時の仕訳を確認しておくと以下のようになります。

(前提)
・額面総額1億円
・払込金額9,000万円
・期間10年で期首に発行したものとする
・償却原価法の償却方法は定額法とする

この場合、発行時の仕訳は以下のようになります。

借)現金預金 90,000千円 / 貸)新株予約権付社債 90,000千円

そして決算時の仕訳(償却原価法の仕訳)が以下のようになります。

借)社債利息 1,000千円 / 貸)新株予約権付社債 1,000千円

日頃、社債の仕訳など切る機会がないので、たまに社債がでてくると受験時代に刷り込まれた「社債発行差金」がどうなっていたのかがわからなくなります。結論からすれば、以前”「社債発行差金」は今・・・”というエントリで書いたとおり、現時点では社債発行差金はなくなっているわけですが、繰り返し刷り込まれた記憶は強いと変な関心をしてしまいます。

ちょっと話が逸れましたが、次に表示方法を確認しておきます。財規52条(固定負債の区分表示)では第1号で「社債」とあるだけで「転換社債」や「転換社債型新株予約権付社債」を区分掲記しなければならないとは記載されていません。したがって、本来的には「転換社債型新株予約権付社債」を一括法で処理した場合は「社債」として表示することなると考えられますが、実務的には「転換社債型新株予約権付社債」や「新株予約権付社債」といった科目で表示されることもあります。現に、金融庁が公表している勘定科目リストをみると「新株予約権付社債」「転換社債」「転換社債型新株予約権付社債」のいずれの科目名も存在しています。ただし、これらのうち、「新株予約権付社債」は会計規則等の設定根拠を有する科目とされているのに対して、「転換社債」および「転換社債型新株予約権付社債」は広く一般的に使用されている科目とされています。

有価証券報告書を検索してみると、それぞれについて以下のような開示例がありました。

1.ドン・キホーテ(平成24年6月期)・・・「転換社債」

2.マイクロミル(平成24年6月期)・・・「新株予約権付社債」

3.ラクーン(平成24年4月期)・・・「転換社債型新株予約権付社債」

「転換社債」については、平成13年改正旧商法施行前の決議によって発行されたものでのみ使用されることになると考えられますが、「新株予約権付社債」と「転換社債型新株予約権付社債」のいずれにするか(あるいは「社債」で表示するか)というのは選択の余地があるということだと思います。

日々成長

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