menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 日給月給制とはなんですか?
  2. 2016年IPOは86社で7年ぶりの減少
  3. CGコード説明率が高いのは補充原則1-2④
  4. 有償新株予約権の会計処理の原案が明らかに
  5. 外貨建満期保有目的債券の期末換算処理
  6. 二社以上の取締役を兼務する場合の社会保険の取扱い
  7. 「会計税務委託料を必要経費と認めず」が昨年一番読まれた記事だったそうで…
  8. IFRS適用の国内子会社も実務対応報告18号の対象に
  9. 役員規程で取締役の辞任を制限できるか?
  10. 監査報告書原本の写しが添付されるようになると面白いかも
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

馬券の払戻金を適正に申告しろというのは酷だと思うのは私だけ?

競馬で当てた払戻金を申告していなかったとして約5億7000万円を申告していなかったとして所得税法違反に問われている大阪市の男性の論告求刑公判が本日行われたそうです。

検察側は「納税にあてるべき払戻金で他の馬券を購入しており、酌量の余地はない」として懲役1年を求刑したそうです。

この裁判の一番の争点は、「ハズレ馬券」が経費になるのかならないのか?です。冒頭の脱税額約5億7000万円という金額は、払戻金から当たり馬券の購入金額のみを差し引いて計算された金額となっています。報道によれば、この男性は2007年~2009年に約28億7000万円分の馬券を買い、約1億4000万円の利益を得たとのことです。つまり、ハズレ馬券の購入額は約27億4000万円で、これが経費と認められれば約1億4000万円が脱税額となるわけで、追徴額もずいぶん変わってくることになります。

今回の裁判で、この被告は「理不尽な課税が周知されていなかったことも問題だ」と主張したそうですが、約1億4000万円ですら申告していないことからすると苦し紛れの言い訳にしか捉えてもらえないのではないかと思います。

競馬の払戻金に対して本来所得税が課税されることについては、有名芸能人が高額配当の馬券を的中させたときに度々話題になるので、競馬の払戻金に対して税金がかかるという事実が周知されていないということを理不尽だというのも苦しいと思います。

どうせ主張するなら、「ギャンブルで得た金を適正に申告すると考えている国がおかしいのではないか。だったら払戻時に源泉すべきだ!」といった方が共感を得られたのではないでしょうか。

競馬の払戻金をめぐっては、それが一時所得なのか雑所得なのかでも争われていますが、国税不服審判所の2012.06.27裁決では、一時所得と裁決されています。もっとも、国税庁のタックスアンサーで一時所得を調べると、一時所得の例の一番目に「(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)、競馬や競輪の払戻金」と出てきますので、争うのも無駄かなという気はします。

一時所得の金額は、「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)」で計算され、総合課税の対象となります。つまり、給与所得等の他の総合課税対象所得と合算された上で、所得の金額に応じた税率が適用され所得税の額が計算されます。

したがって、今回話題となっている男性に適用される所得税率は現時点で最高の40%になるはずです。ハズレ馬券が経費と認められた場合の利益との差額は約4億円なので、所得税の本税だけで考えても約1億6000万円の差が生じます。実際に得た利益以上の差が生じるわけで、かなり酷な結果となります。

ギャンブルといえば、実需がない個人投資家(?)が行っているFX取引も同じようなものだと思います。実際、FXで得た所得について申告しなかったとして摘発されるケースも度々報道されています。

例えば、FX脱税というようなキーワードでネット検索してみると、2013年1月30日付の「9500万円脱税容疑で会社役員ら3人逮捕、FXの利益など隠す」(産経新聞)という記事がありました。

他にも似たような事件は多々ありますが、2007年に所得税法違反の罪に問われた主婦のケースを紹介しておきます。この事件の概要は以下のとおりです。

個人投資家に人気の外国為替証拠金取引(FX)などで得た利益を隠し、約1億3900万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた東京都世田谷区の主婦、池辺雪子被告(60)の判決公判が24日、東京地裁で開かれた。佐藤卓生裁判官は「犯行は悪質」として懲役1年6月、執行猶予3年、罰金3400万円(求刑懲役1年6月、罰金4200万円)を言い渡した。

 佐藤裁判官は「池辺被告は『損をする年もあるのに、得をした年に税金を納めなければならないのは不公平』と考え、着物の購入や旅行をするために脱税した。納税意識が薄く、利欲的動機に酌むべき事情は見あたらない」と断じた。

 判決によると、池辺被告はFXや商品先物取引で得た利益を家族名義の口座に入金させるなどの手口で、平成15~17年の3年で約4億700万円の所得を隠し、約1億3900万円を脱税した。
(産経イザ)

競馬の払戻とFXのケースを比較すると、申告しなかった所得の大きさは1億円異なるものの、ここまでくると同じようなもので、若干FXのケースの方が悪質かなという気はします。だとすると、今回のケースで検察側の求刑懲役1年というのも頷けます。

今回のケースでも最終的に、有罪になるにせよ執行猶予付となるのではないかと推測されます。

ギャンブル性では似たり寄ったりのFXでは年間の通算損益で税額が計算されるはずなので、そうであればハズレ馬券も経費にしてあげてもいいのでは?という気はします。そもそも、年金や生活保護ですら不正に受給しようとする人がいるのに、ギャンブル性の高いもので得た所得を適正に申告しろというのは酷ですよね。税金を取りたいのであれば、源泉分離課税にするか、せめて申告分離課税にすべきではないかと思います。

日々成長

関連記事

  1. 士業の必要経費をめぐる国税不服審判所の判断(その1)

  2. 法人契約の損害保険から受け取った保険金を従業員へ支払った場合の課…

  3. 個人による太陽光の売電収入が事業所得になるのはどこからか?

  4. 復興特別所得税の区分処理方法(その2)

  5. 社員旅行費用の税務上の取扱い

  6. 34438598_xl

    扶養控除等申告書におけるマイナンバーの取扱い(その3)-プレ印字…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る