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新規上場のためのIの部と過年度遡及会計基準との関係

今回は上場申請のための財務諸表(Iの部)と会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(以下「過年度遡及会計基準」とします)の関係についてです。

変則決算期のため今回が過年度遡及会計基準の適用初年度となるIの部を作成していた際に、ふとした疑問。

連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項等は、上場会社と同様に今期分だけを記載すればよいのか、従来通り前期と当期という記載にするのか?

上場会社の場合であれば、過年度遡及会計基準の適用開始によって、前期の財務諸表は比較情報として当期の財務諸表の一部と位置付けられます。そのため、比較情報として開示される情報は、前期の開示情報とは別物という建付けになっています。 そのため、過年度遡及会計基準適用前の有価証券報告書には、2年度分の監査報告書が添付されていましたが、平成24年3月期の有価証券報告書からは当期分の監査報告書しか添付されていません(一般の財務諸表利用者が、監査報告書に目を通すとはあまり考えられませんが・・・)。

ところが、新規上場のためのIの部については、直前期と直前々期の2期について監査証明が必要とされています。これは、過年度遡及会計基準が適用されようが変更ありません。

監査報告書も2期分添付されることになる以上、従来どおり各年度としての財務諸表を2年併記で開示するということになればわかり易いのですが、残念ながらそんなに単純な話ではありません。

まず、企業内容等の開示に関する内閣府令の第二号様式(有価証券届出書の様式)の記載上の注意(67)aでは以下のように記載されています。

財務諸表等規則に定めるところにより作成した最近事業年度に係るものを記載すること。ただし、最近事業年度の前事業年度に係る財務諸表が法第5条第1項又は第24条第1項から第3項までの規定により提出された届出書又は有価証券報告書に記載されていない場合には、最近2事業年度に係る財務諸表(財務諸表等規則第6条に規定する比較情報を除く。以下この様式において最近2事業年度財務諸表という。)について、最近事業年度の前事業年度分を左側に、最近事業年度分を右側に配列して記載すること。

要は、いままで有価証券報告書で財務諸表を開示していない場合には、最近2事業年度に係る財務諸表を開示することになります。

これだけだと、従来どおりということなのですが、連結財務諸表規則附則第2項および第3項には以下のように規定されています。

2  平成二十四年三月三十一日以後に終了する連結会計年度(以下この項において「当連結会計年度」という。)の前連結会計年度に係る連結財務諸表(法第五条第一項又は第二十四条第一項から第三項までの規定により提出された有価証券届出書又は有価証券報告書に記載されていないものに限る。以下この項及び次項において「前連結財務諸表」という。)を、法又は法に基づく命令により当連結会計年度に係る連結財務諸表(以下この項及び次項において「当連結財務諸表」という。)を最近連結会計年度に係る連結財務諸表として記載すべき有価証券届出書又は当連結会計年度に係る有価証券報告書に記載する場合における前連結財務諸表の用語、様式及び作成方法は、当連結財務諸表を作成するために適用すべきこの規則の定めるところによるものとし、当該規則において定めのない事項については、当連結財務諸表を作成するために準拠すべき一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。ただし、この規則又は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の規定により、当連結財務諸表の用語、様式及び作成方法を前連結財務諸表に適用していない場合には、この限りでない。

3  前項の規定により前連結財務諸表を作成するときは、第八条の三の規定にかかわらず、前連結財務諸表及び当連結財務諸表は、同条に規定する比較情報を含めないで作成するものとする。

読みにくいですが、第2項を要約すると、従来有価証券報告書等で開示していなかった会社が、平成24年3月31日以降に終了する事業年度の財務諸表を前事業年度の財務諸表として開示する場合には、当期の連結財務諸表規則に従って前年の連結財務諸表を作成しなければならない、ということになります。

結局のところ、直前期、直前々期は(直前期の比較情報ではない)独立した財務諸表であるという建付けでありながら、直前々期の財務諸表は直前期と同じ連結財規にしたがって作成しなければならないということになります。

比較情報を作成する作業に類似しますが、表示科目を変更するだけとしても、独立した財務諸表を変更するというのは、会社法の計算書類との整合性などを考えると比較情報にはない論点がありそうです。

連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項は前期分と当期分を両方書くのかという疑問に対しては、独立した財務諸表である以上、従来どおり両方書くということになります。一方で、表示方法の変更については、連結財規附則第2項から、かなり特殊な記載となります。つまり、当期分と前期分を記載するものの、当期分の記載と同様の記載を前期分に記載するということになります。
何をいっているのかよくわからないと思いますので、実際の開示例を紹介します。

2013年3月27日に上場予定のタマホームのIの部(一部抜粋)

当期、前期の文言を使い分けていますが、冒頭の記載にもあるように、基本的に同様の記載が行われています。

結構面倒ですね。

日々成長

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