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決算日変更の会計処理-多数派はPL経由処理

今回は決算日変更を行う場合の処理方法についてです。

決算日を変更した場合の処理方法については、「比較情報の取扱いに関する研究報告(中間報告)」(会計制度委員会研究報告第14号)のQ&A6において以下の二つの方法があるとされています。

①利益剰余金で調整する方法
②損益計算書を通して調整する方法

12月決算の子会社が3月決算の親会社に合わせて決算期を変更するケースを前提とすると、

①利益剰余金で調整する方法

この場合、1月~3月分の損益は、連結株主資本等変動計算書に、利益剰余金の増減として「決算期の変更に伴う子会社剰余金の増加高」等の適切な名称をもって表示されることになります。

決算期を変更する子会社の重要性にもよりますが、12か月分の業績を示すことを重視するのであればこちらの方法のほうが適していると考えられます。

②損益計算書を通して調整する方法

この場合、決算の手間を考えて、決算日を変更した子会社は15か月決算を行うことのほうが多いように思いますが、3カ月決算を行うという選択肢もあります。いずれにしても、1月~3月の子会社の損益は、連結財務諸表上も連結損益計算書を通じて取り込まれることになります。

便宜上、異なる決算日で連結していたものの、未だ取り込まれていない3か月分の損益については、やはり損益計算書を経由すべきと考えるのであれば、こちらの方法が適していると言えます。また、決算日を変更した子会社が15か月決算を行う場合には、子会社の損益計算書をそのまま利用することができるので、作業が行いやすいということも考えらえます。

実際に決算日を変更した会社でどちらの処理が多く採用されているのかですが、この点について経営財務3104号(2013年3月4日)に調査結果が掲載されていまいた。

同記事によると、平成24年7月末時点の日経500種平均対象会社(連結財務諸表非作成会社を除く)の3月決算会社396社のうち、当期から決算日を変更した37社について調査した結果、以下のような結果になったと述べられています。

①利益剰余金で調整した会社 9社(24%)

②連結損益計算書を通して調整した会社 28社(76%)

①を選択した会社の理由については「IRの観点から、12ヶ月で説明したい。比較もしやすい。」、②を選択した会社の理由については「利益剰余金で処理するためには、15か月分から3か月分を抜く必要があり、その作業が負担になる」などの声が聞かれたと述べられています。

なお、子会社の決算日を変更した場合には以下のような事項を注記することが適当と考えられるとされています連結財務諸表規則第15条及び四半期連結財務諸表規則第14条参照)。

①利益剰余金で調整する方法を採用する場合

・ 利益剰余金で調整する方法を採用している旨

・ 子会社のX1年1月からX1年3月までの間に発生した特別な事象について、利害関係人が適正な判断を行うために必要と認められる事項

②損益計算書を通して調整する方法を採用する場合

・ 損益計算書を通して調整する方法を採用している旨

・ 子会社のX1年1月からX1年3月までの売上高、営業損益、経常損益、税引前当期純損益などの損益に関する情報

・ 子会社のX1年1月からX1年3月までのその他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益などのその他の包括利益に関する情報

実際の開示例では以下のような記載となっています。

①利益剰余金で調整する方法を採用する場合

住友化学㈱(2012年3月期 有価証券報告書)

CDT ホールディングス リミテッド等81社の決算日は、12月31日である。連結財務諸表を作成するにあたっては同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っている。なお、株式会社シアテック等5社については、決算日を3月31日に変更している。決算期変更に伴う「利益剰余金」および「現金及び現金同等物」への影響については、連結株主資本等変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書に記載している。

②損益計算書を通して調整する方法を採用する場合

三共生興㈱(2012年3月期)

従来、連結子会社のうち決算日が12月31日であったひとセンシング㈱、また、決算日が1月31日であったSAN EAST UK PLC、DAKS SIMPSON GROUP PLC及びその傘下3社の在外子会社5社については、連結業績のより適正な開示を図るため、当連結会計年度より決算日を3月31日に変更しております。
この変更に伴い、ひとセンシング㈱は平成23年1月1日から平成24年3月31日までの15か月決算、在外子会社5社については平成23年2月1日から平成24年3月31日までの14か月決算となっております。
その結果、連結損益計算書は従来と同一の基準に比べて、売上高は186百万円増加し、営業利益は71百万円、経常利益は102百万円、当期純利益は197百万円それぞれ減少しております。

このような注記も必要となるという点は、覚えておいたほうがよさそうです。

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