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「払込期日」と「払込期間」を定めた場合の違いは?-自己株式の処分

今回は株式の発行等の手続による自己株式の処分に関連して知識が曖昧だった点の確認です。

株式の発行等の手続による自己株式の処分については、以前も書きましたが「株式の発行等の手続による自己株式の処分については、対価の払込期日に認識する」ということになっています。

1.払込期間を定めた場合は?

株式の発行等の手続による場合、出資の履行期限については、払込期日を定めることも払込期間を定めることもできます。
そして、払込期間を定めた場合には出資が履行された日に自己株式の処分を認識し会計処理を行わなければなりません(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針第5項)。

2.「払込期日」と「払込期間」で何が異なる?

単に「払込期日」と言われれば、その期限までに払込みを完了すればよいと考えるのですが一般的ではないかと思いますが、「払込期日」と「払込期間」という用語が使い分けられていると「払込期間」の場合は一定期間内に振り込めばよく、「払込期日」の場合は特定の日に振込をしなければならないということなのかな、と考えてしまいます。

結論からすれば「払込期日」の意味するところは、一般的な解釈どおりで、その期日までに払込を完了すればよいということを意味しています。では、「払込期間」なんてものが何故あるのだろうということが問題となります。

この謎の答えは会社法209条にあります。

(株主となる時期)
第209条
募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。
一 第199条第1項第四号の期日を定めた場合 当該期日
二 第199条第1項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日

つまり、払込を完了しても「払込期日」が定められているか「払込期間」が定められているかによって引受人が株主になる日が異なるということになります。「払込期日」が定められている場合は、払込が完了すれば払込時期にかかわらず引受人は一律払込期日に株主となるのに対して、「払込期間」が定められている場合は、期間内に払込が完了した引受人から順次株主となるということになります。

したがって、「払込期間」を定めた場合には、会計処理としてはバラバラと自己株式の処分を認識していかなければならないということになりますし、引受人が多数の場合は事務処理も面倒になるので、「払込期日」が設定されるのが一般的だと思います。

しかしながら、決算日前にできるだけ自己株式を処分してしまいたいが、引受人全員の払込が間に合うかわからないというような場合には「払込期間」を設定し、払込が完了した分だけ自己株式の処分を認識するということも考えられます。

なお、出資が履行されない場合には、「募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。」ことになります(会社法208条5項)。

3.自己株式申込証拠金が生じるのは?

上記から、敢えて書くまでもないかもしれませんが、自己株式申込証拠金が生じるのは「払込期日」を定めた場合で、「払込期間」を定めた場合には払込が完了すれば自己株式の処分が認識されることになるので自己株式申込証拠金は関係ありません。

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