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不動産流動化に伴う信託受益権の譲渡取引-会計と税務で差異

不動産流動化に伴う信託受益権の譲渡取引の処理について、会計上金融取引と処理されたものが、法人税法上は売買取引と認定されたという事案がT&A master No.496で紹介されていました。

特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針(会計制度委員会報告第15号)では、SPCを利用した不動産流動化に伴う信託受益権の売却取引について、譲渡者に残るリスクの負担の割合が5%超などの一定の条件に該当する場合には、金融取引として取り扱うとされています(13項等)。

そして、紹介されていた事案では、A社(上場会社)が行った不動産流動化に伴う信託受益権の売却取引で、A社に残存するリスクが5%超(約31%)であったため金融取引として処理していたところ、課税当局は、実際にA社から譲受人に対して信託受益権の譲渡が行われているという法形式を重視し、金融取引として扱う理由はないとして売却取引に該当するという判断を下し、審判所も全面的にこの判断を指示したとされています。

その後、会社は特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針が法人税法22条4項の税会計処理基準に該当する旨を指摘し、当該取引は企業会計と同様に法人税法上も売買取引に該当しない者として取り扱うべきとして、課税処分の取消訴訟を提起しました。

裁判所は、適正な課税を目的とする法人税法が、収益として実現した金額を益金の額に算入する旨を規定していることを踏まえれば、信託受益権が契約により法的に譲渡され、契約に定められた対価を現に収入している以上、法人税法上、益金に算入されるべきと判断したとのことです。

不動産流動化に伴う信託受益権の譲渡取引について、会計上金融取引とされたものであっても税務上は売買取引として処理されるのが一般的なのか、会計上の処理=税務上の処理として取り扱っているのが一般的なのかについては土地勘がなくわかりませんが、上場会社ということですから、税務顧問も大手であるとすれば実務上は会計上の取扱いと税務上の取り扱いをイコールとしているケースも相当あるのかもしれません。

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