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平成26年3月期第1四半期の留意点(その2)

前回の続きです。監査法人トーマツが公表している「四半期決算の会計処理に関する留意事項」(会計情報vol.443 2013.7)で取り上げられてた残りの項目を簡単に確認します。

1.IAS19「従業員給付」の改正対応

これはIAS19号「従業員給付」の改正により、2013年1月1日以後開始する事業年度から、数理計算上の差異や過去勤務費用の処理方法が変更されていることに関連するものです。

改正後のIAS19号では、数理計算上の差異や過去勤務費用(受給権確定分)の遅延認識は認められず、即時認識が必要となりました。といっても即時に費用あるいは収益として計上することが求められるのではなく、税効果調整後の金額を「その他の包括利益累計額」に計上するということになっています。

なお、受給権未確定分の過去勤務費用については、従来どおり遅延認識されることになっています。

上記からすると、改正後の「退職給付に関する会計基準」と類似していますが、大きく異なる点があります。それは、数理計算上の差異の処理方法です。

改正後のIAS19号では、純資産の部で直接認識された数理計算上の差異が、それ以降の期間において、費用化をとおして損益計算書に計上されること(リサイクリング)はありません

日本基準上は、改正後の「退職給付に関する会計基準」においても、純資産の部に即時認識された数理計算上の差異については、それ以降の期間において費用化をとおして損益計算書に計上されることとされています(要組替調整)。

これにより「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」が改正され、改正後のIAS19号により数理計算上の差異を処理している在外子会社については、日本基準と同様の処理に修正することが求められています。

(2) 退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理
在外子会社において、退職給付会計における数理計算上の差異(再測定)をその他の包括利益で認識し、費用処理することなく純資産の部に計上している場合には、連結決算手続上、企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」に従った、当該金額を平均残存勤務期間以内の一定の年数で規則的に処理する方法(発生した期に全額を処理する方法を継続して採用することも含む。)により、当期の損益とするよう修正する。

2.税効果会計適用時の会社区分の判定

これも「退職給付に関する会計基準」の改正に関連した論点です。

すなわち、従来認識されていなかった未認識項目が税効果考慮後で「その他の包括利益累計額」に計上されることとなったことにより、繰延税金資産の計上額も大きく影響を受けることになりますが、繰延税金資産の回収可能性を考慮する際の会社区分への影響はどうなるのかという点です。

この点に関しては、「税効果会計に関するQ&A」が改正されQ&A15が追加されました。このポイントは以下のとおりです。

  1. 未認識項目を連結財務諸表に計上しても会社分類には影響せず、個別財務諸表上の会社区分と同じ区分となる。
  2. 連結財務諸表で計上された未認識項目部分も、将来解消年度が長期となる将来減算一時差異に該当する。
  3. 会社区分が変動したことにより繰延税金資産の回収可能性を見直す場合、連結財務諸表でのみ調整されている未認識項目部分に対応する分については連結包括利益計算書(退職給付に係る調整額)で処理を行い、個別財務諸表で計上されている繰延税金資産の変動については連結損益計算書(法人税等調整額)で処理する。

上記1.および2.の他、特別目的会社の取扱いについても述べられていましたが、これはあまり関係なさそうなので割愛します。

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