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商標権とは何か?(その1)

今回は商標権についてです。商標権は、財規27条で無形固定資産の範囲の一つとして列挙されています。

会計実務上、あまり注目される項目ではないように思いますが、単体の貸借対照表で「商標権」が計上されている会社を検索してみたところ、659件と思ったよりも多くの会社がヒットしました。

金額的にはあまり大きくない会社が多いですが、例えば㈱デサント(平成25年3月末で676百万円)のように数億円単位の金額で商標権が計上されている会社もちらほらと目につきます。デサントのように、取扱いブランドが多いと商標権として計上される金額も大きくなる可能性はあります。

ちなみにデサントの場合、平成24年3月末の商標権残高は29百万円であったのに対して、平成25年3月末は上記のとおり676百万円となっています。同社の第2四半期の決算発表資料によると、この主な要因は「SKINS」という商標を取得したことによるもののようです。

特許庁の無料商標検索でデサント社が2012年4月1日から2013年3月31日に出願申請・書換登録申請した商標を検索してみると52件がヒットし、その一つに「SKINS」も含まれていました。

実際のロゴは以下のようなものです。
2013-07-30_1

他にも取得している商標があるので、はっきりとした金額はわかりませんが、このロゴが5億~6億円位の価値をもっているということになりそうです。

このように金額的に大きな価値が認められる可能性がある商標権ですが、商標権とはどんなものなのかを以下で確認していきます。

1.商標とは何か?

商標を登録すると権利者が法で保護されるというのは一般的に知られていることだと思いますが、そもそも「商標」とはどのようなものかを確認します。

「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であって、業として商品を生産等又は役務を提供等する者がその商品または役務について使用するものと定義されています(商標法2条1項)。

というわけで、会社名や商品名などの文字に限らず、ロゴマークなども商標として登録することが可能ということになります。ちなみに、商標として登録できるのは静的なものである必要があるため、見る角度によって見え方が異なるような”だまし絵”的なものは商標として登録することはできません。

次に「立体的形状」のものですが、これはケンタッキーに置かれているカーネルサンダースの人形や、マクドナルドにおかれているドナルドの人形などをイメージすればよいと思います。
ちなみに、立体的形状のものが商標として保護されるようになった歴史は浅く、従来は平面的なものに限られていたものが、平成8年の法改正によって立体的形状のものに範囲が拡大されています。

2.商標権の機能とは?

一般的に商標権は以下の三つの機能をもっていると言われています。

  1. 出所表示機能
  2. 品質保証機能
  3. 広告宣伝機能

出所表示機能とは、同一の商標を付した商品又は役務は、同一の出所から流出したものであることを示す機能のことです。
品質保証機能とは、同一の商標を付した商品等は同一の品質等を有することを需要者に認識させる機能のことです。
宣伝広告機能とは、商標を手がかりとして商品等の購買意欲を起こさせる機能のことです。

要約すれば、自己の商品や役務と他人の商品や役務とを区別する機能を有しているということになります。このため、商標法では自他商品等の識別力が商標の本質的登録要件として要求されており(商標法3条1項)、自他商品等の識別力のない商標は登録しないことととされています(商標法15条1項)。

今回はここまでとします。

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