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外貨建債券の決算時の処理

今回は、その他有価証券に分類された外貨建債券の決算時の処理についてです。簿記の試験的にはよく出そうな分野ですが、実際にお目にかかることは少ないので、たまに出くわすと知識が曖昧だったりします。

ポイントは償却原価法を適用した場合の換算で、曖昧だったのは為替差損益として処理しなければならない部分があるのかないのかという点です。

簡単な数値例で考えてみることにします。外貨建取得原価95千ドル、額面100千ドル、当期の償却原価法による償却額は1千ドルとし、その他有価証券に分類されるものであるとします。また、為替レートは以下の通りであったとします。
社債の取得日(期首)・・・80円
期中平均レート・・・90円
期末日レート・・・100円

まず、時価がない場合、償却原価法を適用した場合の期末時点の外貨ベースの帳簿価額は96千ドルになりますので、期末の円換算額は96千ドル×100円=9,600千円となります。

一方で取得時の円換算額は95千円×80円=7,600千円で、償却原価法による償却額は期中平均レートによって換算するので1千ドル×90円=90千円となり、期末評価替え前の円建ての帳簿価額は7,600千円+90千円=7,690千円となります。

税効果を無視すると、両者の差額9,600千円-7,690千円=1,910千円を有価証券評価差額金として計上することになります。仕訳で考えると、借)投資有価証券 1,910千円 貸)投資有価証券評価差額金 1,910千円となります。

なお、税効果を考慮した場合、時価のない外貨建債券の換算から生じた繰延税金資産については回収可能性の検討に注意が必要です。すなわち、外貨換算から生じた円換算額の変動は、時価のある場合と同様に相手勘定をその他有価証券評価差額金として調整することになりますが、この場合の評価差額金は通常の評価差額金と性質を異にするため、監査委員会報告第70号に定められている取扱いは適用されず、個々の銘柄ごとに回収可能性を検討する必要があります。

では、時価がある場合はどうなるかですが、原則的には期末の換算額が外貨建時価×決算日レートとなるだけです。上記の例で仮に期末の時価が98千ドルであったとすれば、期末の円貨は98千ドル×100円=9,800千円となり、償却原価法適用後の円貨7,690千円との差額2,110千円が評価差額金(税効果は無視)となります。

基本的にはこのように処理すればよいですが、外貨建債券については外国通貨による時価を決算時の為替相場で換算した金額のうち、外国通貨による時価の変動に係る換算差額(外貨ベースでの評価差額を決算時の直物為替相場で換算した金額)を評価差額とし、それ以外の差額については為替差損益として処理することができるとされています(外貨建取引事務津指針16項)。

私の記憶の隅にひかかっていたのは、この例外規定でした。上記の例で考えると、(期末時価98千ドル-償却原価法適用後の外貨建帳簿価格96千ドル)×期末日レート100円=200千円が評価差額金(税効果は無視)となり、残りの1,910千円(2,110千円-200千円)は為替差益となります。

まとめると、原則的には換算差額は全額をその他有価証券評価差額金として処理すればよいが、外貨ベースでの評価差額部分だけをその他有価証券評価差額金として処理し、残額は為替差損益として処理することが認められるということです。

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