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改正退職給付会計基準の早期適用(平成26年3月期第1四半期)は35社-経営財務調べ

以前”改正退職給付基準対応-計算が間に合わないリスクも”というエントリで、改正退職給付会計基準への対応が遅れているようだという旨のことを書きましたが、経営財務3130号によると改正退職給付基準を平成26年3月期第1四半期から早期適用した会社は全部で35社であったとのことです。

35社のうち連結財務諸表作成会社が33社で、このうち29社が全ての改正項目を同時に適用しているとのことです。なお、期間帰属方法については、31社が「給付算定式基準」に変更しているとのことです。

ただし、列挙されている早期適用会社名をみると「日立」と名のつく会社が全部で10社あり、そういった意味では実質的に26社といえるかもしれません。日立系列以外では、デンソー、味の素、伊藤忠テクノソリューションズ、ヤマハ、島図製作所などが早期適用を開始しています。

従業員数別(連結会社の場合は連結ベース)にみると従業員数1万人以上が17社で約半分と占めています。従業員数が少ないほど影響が少ないので早期適用が多いのではという気もしますが1000人未満5社に対して、1000人以上5000人未満も5社、5000人以上1万人未満が8社と、従業員数と早期適用の間にはそれほど相関関係はないようです。

さらに早期適用した会社の影響額についてもデータがまとめられており、以下のようにまとめれています。なお、以下のAOCIは「その他の包括利益累計額(純資産の部における退職給付に係る調整累計額)」を意味します。

会計方針の変更の注記において記載されているAOCIの増減額が、未認識項目に係る会計方針の変更による影響である。未認識項目関係を早期適用した32社のうち,AOCIが増加(すなわち退職給付に係る負債が減少)した会社数が4社、AOCIが減少(すなわち退職給付に係る負債が増加)した会社数が24社であり,影響は軽微と記載している会社が1社、影響の記載のない会社が3社(うち2社は未認識項目を発生時に一括償却している。)であった。

(出典:新退職給付会計基準の早期適用事例分析(平成25年第1四半期)有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 前田 啓 経営財務3130号)

影響額ではAOCIが減少した会社のうち減少額が100億円以上の会社が7社、50億円以上100億円未満の会社が4社と減少している会社24社の約半数を占めています。
前期末の純資産の額に対する期首のAOCIの増減額の割合でみると減少した会社24社のうち16社は1%以上5%未満に収まっていますが、5%以上10%未満の会社も4社存在します。

やはりそれなりにインパクトはあるという結果といえます。

では、早期適用が認められた他の会計基準との比較ではどうなっているのかを確認すると、減損会計では強制適用開始の1年前(平成16年3月期)時点で約150社、半年前で合計約510社が早期適用を開始し、棚卸資産の評価に関する会計基準の早期適用(平成20年3月期)は71社(経営財務2879号)リース会計基準(平成21年3月期第1四半期)の早期適用は222社(経営財務2885号)、工事契約に関する会計基準の早期適用(平成21年3月期第1四半期)は28社(経営財務2889号)、資産除去債務の早期適用(2010年3月期)は7社(経営財務2974号)となっています。

上記のような傾向と比較すると、改正退職給付会計基準の早期適用会社数だけが少ないというわけではないようです。

いずれにしても、強制適用に遅れないように対応をすすめていく必要があります。

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