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平成26年4月以降の保守期間分の消費税を追加請求しない場合の会計処理はどうなるか?

今回は前受している保守料金について、平成26年4月以降の期間に対応する部分の消費税を追加請求しない場合の会計処理はどうなるのかについて考えてみます。

前提

・平成25年4月~平成27年3月(2年分)の保守料金として平成25年4月に25,200円(税抜価格24,000円+消費税1,200円)を受け取っている。
・受領額のうち未経過期間相当分は前受収益(あるいは前受金)として計上し、保守期間にわたって売上を計上している。
・上記から、平成26年3月末時点では、前受収益(前受金)として12,600円が計上されているものとする。
・消費税分を追加請求するのは事務コスト等を勘案すると割にあわないと判断し、前受している分については追加請求を行わないものとする。

1.消費税の増税分を売上のマイナスで吸収する

上記の前提の場合、消費税が5%のままであったとすると、毎月1,050円の前受収益(前受金)が取り崩され売上に計上されます。仕訳で書けば、以下のようになります。

借)前受収益(前受金) 1,050  貸)売上    1,000
                   仮受消費税   50

ここで消費税率が8%になっても、受け取っている金額・保守期間に変化がないので一ケ月あたりの取崩額は不変のはずです。そのため1,050を8%の消費税込価格として、平成26年4月以降は以下のように処理することが考えられます。

借)前受収益(前受金) 1,050  貸)売上     973
                   仮受消費税   77(*1)

(*1)1,050×8/108

消費税法上、消費税の課税標準は対価の額から消費税相当額を控除した額とされています。つまり対価がはじめにありきで、対価×100/108(現在は105)が課税標準となり、課税標準×8%(地方消費税を含む)が納付すべき消費税額として計算されるという仕組みになっています。

この考え方からすれば、受領している対価1,050を基準として売上と仮受消費税を計上するというのが妥当な処理と考えられます。これはいわば、追加請求可能な分を値引きしているような処理と考えられます。

一月あたり30(1,000×3%)の消費税相当額を追加請求できるところ、追加請求しないことによって税抜ベースで27(=30/1.08)の売上値引きを行っていることで、売上が従来の1,000から973(1,000-27)に減少していると考えられます。

2.消費税の増税分の影響は租税公課で処理する

上記1.の方法は消費税法の考え方からすると妥当な方法だと考えられますが、一方で、変化したのは消費税率だけで、会社の税抜販売価格に変動はないのに売上が減少するのは不合理だというようにも考えらえます。

つまり、消費税率以外の状況がまったく同様であるにもかかわらず、売上の金額が影響を受けるのは財務諸表の利用者の判断をかえって誤らせるのではないかという考え方です。

この点を重視すれば、売上額の計算は従来通りの税率で算出し、消費税増税の影響額は租税公課で処理するということも考えられます。
この方法によるとすれば、前受収益(前受金)の取崩を8%で行った上で、5%で行った場合の差額を租税公課と売上で調整するという処理になるのではないかと考えられます。

上記の例でいえば、8%で計算した売上973と5%で計算した場合の売上1,000との差額27について、以下の調整を加えるということになります。

借)租税公課 27 貸)売上 27

こうすることで、売上は従来通りの1,000と計上され、消費税増税の影響が租税公課に吸収されることになります。

上記のとおり1.と2.の方法が考えられますが、消費税法上の考え方および事務処理の簡便性(通常は税込入力すれば会計システム上自動的に消費税額を算出してもられる)から私見としては1.の方法を採用するのがよいのではないかと考えています。

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