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新退職給付会計基準の重要性基準の取扱いにASBJから新たな見解が追加

経営財務の3138号に掲載されていた”ASBJ 退給基準の「重要性基準」の取扱いに見解”という記事の内容が興味深かったので紹介します。

その前に、3点ほど前提となる事項を確認しておきます。

1.新退職給付会計基準における重要性基準適用の可否

これは敢えて書くまでもないかもしれませんが、新退職給付適用指針30項(一部)では「重要な影響の有無の判断にあたっては、前期末に用いた割引率により算定した場合の退職給付債務と比較して、期末の割引率により計算した退職給付債務が 10%以上変動すると推定されるときには、重要な影響を及ぼすものとして期末の割引率を用いて退職給付債務を再計算しなければならない」とされており、新退職給付会計基準においても従来通り「重要性基準」は適用されます。

また、そもそも割引率の考え方が変更になる適用初年度についても同様に考えてよいのかですが、この点については新適用指針の設例3の注書き(欄外)に「会計基準適用前の算定方法によれば、期末の利回りは 2.4%であったが、重要性基準の適用により、前年度末の 2.0%を使用することになったものとする。会計基準適用後の算定方法では、期末の利回りは 2.6%であり、重要な変動があるものと判断して割引率を見直す必要があったものとする。 」と記載されていることから、裏を返せば適用初年度であっても従来通り重要性基準を使用することができるということになります。

2.割引率見直しの会計処理

新退職給付会計基準の適用初年度期首において割引率の算定方法を見直したことにより変動した退職給付債務の変動額は、税効果を考慮の上、期首利益剰余金に加減されることになっています(新退職給付会計基準37項)。

なお、重要性基準を使用している場合で、新退職給付会計基準の強制適用にあたり、割引率の算定方法の変更による影響が重要性基準に抵触した場合も同様の処理となります(新退職給付適用指針設例3参照)。

3.重要性基準を採用していた会社が重要性基準を採用しなくなった場合の会計処理

新退職給付会計基準の適用にあわせて重要性基準の採用を取りやめた場合の会計処理については、現時点では二つの考え方があるとされています。

一つ目は、この場合は数理計算上の差異として処理するという方法です。これは、重要性を考慮しないこととしてその時点の金利を勘案して割引率を見直したことによる退職給付債務の変動は、数理計算に用いる見積数値の変更に起因するものであるため数理計算上の処理とすべきというものです(新基準11項)。

二つ目は、期首利益剰余金に加減するという方法です。これは、いわば新退職給付会計基準の適用によって生じた退職給付債務の影響額を、期首利益剰余金に加減することを求めている新基準の37項を重視した考え方といえます。

この点について、ASBJがFASF会員向けに公表している解説によれば、通常は数理計算上の差異として処理されるが、適用初年度には新会計基準等の適用に伴う会計方針の変更の影響額に含めて期首剰余金に加減することも認めれられるとされていますので、原則的には数理計算上の差異扱いということのようです。

今回の本題

前置きが長くなりましたが、今回の本題に戻ります。

経営財務の記事で取り上げられていたのは、「重要性基準を考慮することをやめた場合に、翌年度以後の割引率の決定において再度重要性基準を考慮することができるか」という点につきASBJから追加的な見解が示されたというものです。

追加で示された見解によれば「翌年度以後の割引率の決定において再度重要性基準を考慮することも認められると考えられる」とのことです。

ということは、重要性基準を採用していれば割引率の見直しが不要な範囲であっても、一度重要性基準の採用をやめて、影響額を期首利益剰余金で調整し、翌年重要性基準を再度適用するということも来期以降のPLに与える影響によっては考える価値はあるのかもしれません。

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