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税理士に記帳代行を依頼している場合の会計データは誰のもの?

T&A master No.524に”税務顧問解約、会計データは誰のもの?”という記事が掲載されていました。

税務顧問契約を解約した際に、税理士が保有していた会計データの引き渡しを巡って争われた裁判で、裁判所は、会計データの所有権は顧問税理士に帰属するとして、会計データの引き渡しを求めた依頼者の請求を棄却したというものです(東京地裁平成25年9月6日判決)。

通常、顧問契約を解約されたとしても、会計ソフトのバックアップデータであればコストもかからないことから会社に会計データを渡さないというようなことは考えにくいですが、会社と税理士との関係がこじれた場合には、こうした事態が生じることも考慮しておく必要がありそうです。

この記事で紹介されていた事案では、依頼者は会計ソフト(弥生会計)に入力されたデータは、記帳代行依頼者である納税者に帰属するため、税理士が引き渡しを求められた場合には当然にこれを引き渡す義務があると主張しました。

この主張に対して裁判所は、顧問税理士が保存していた会計データの所有権は税理士に帰属するとの判断を示しましたが、理由としては「顧問税理士は本件財務顧問契約に基づき依頼者から委任を受けた自らの業務として自らの保有する会計ソフトを利用して会計データを作成していたと指摘した。また、本件税務顧問契約には、会計データの引渡やその所有権の帰属等に関する定めがないこと、訴訟の中で納税者の後任の税理士が、税理士が一般的に顧客に対する会計データの引き渡し義務を負うことを認めているわけではないことなどを指摘している。」(T&A master No.524)とのことです。

小さな会社の場合、税務顧問契約がきちんと締結されていない可能性もありますが、このような事態を回避するためには、会計データの引渡しについて契約に織り込んでおくか、会社も税理が使用している会計ソフト(特に弥生会計のような比較的安価なソフトの場合)を購入し、そのソフトで作業してもらうという建付けにしておくというような対応が必要ではないかと考えられます。

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