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分類2会社の役員退職慰労引当金と税効果-繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針

平成27年12月28日に公表され平成28年3月28日に改正が公表された「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」ですが、分類2の会社における役員退職慰労引当金の取扱いが議論の対象となることが多いようです。

適用指針において、分類2の会社はスケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、原則として回収可能性がないものとされています(第21項)。

と同時に「ただし、スケジューリング不能な将来減算一時差異のうち、税務上の損金の算入時期が個別に特定できないが将来のいずれかの時点で損金に算入される可能性が高いと見込まれるものについて、当該将来のいずれかの時点で回収できることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合、当該スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産は回収可能性があるものとする」とされています。

この点について公開草案に対して寄せられたコメント及びその対応としてASBJが公表したもののなかに以下のコメントと対応が記載されています。

(コメント)
役員退職慰労引当金のように、明らかに将来のいずれかの時点で解消することが見込まれるものは、会社が何ら説明を行わない場合でも、本公開草案第 21 項の「合理的に説明できる場合」に該当し、回収可能性があるものとして繰延税金資産の計上が求められるということになるのか、明確にしていただきたい。

(対応)
役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異については、将来のいずれかの時点で解消されるものであるため、その点に関する説明は不要と考えられるが、将来減算一時差異の残高と課税所得の水準との関係から回収できることについては合理的な根拠をもって説明することが求められると考えられる。

つまり、人はいつか死ぬという理屈から、将来いずれかの時点で解消されることについての説明は不要であるが、その時点での課税所得水準から回収可能であることを合理的な根拠をもって説明できなければならないということです。

分類2と判定される会社の課税所得水準は安定しているはずなので、直近の課税所得水準が継続するという前提はそれほど違和感がないものと考えられ、その範囲で回収可能と判断されるレベルの金額であれば回収可能性があると判断してもよいのではないかと考えられる一方で、オーナー社長(あるいは会長)で退任時期が10年以上先になることが見込まれるというようなケースにおいて、現在の会社分類が2であっても将来も同じ状況にあると考えるのが合理的といえるのかというのは微妙なところです。

例えば、退職慰労金の支給に備えて保険商品を購入しており、退任時にはその保険を解約することによって退職慰労金の相当部分をカバーする解約返戻金が生じるというようなケースであれば、課税所得との関係で回収可能性を合理的に説明できる根拠となりうると思われます。

また、「合理的な根拠をもって説明する場合」なので、同じような状況下であっても、会社が努力して説明しようとするか否かによって繰延税金資産の計上の可否が変わってくるのかという点も問題となりますが、これは会社のポリシーによって一貫した取扱いがなされていればどちらでもよいと判断されるのではないかと思います。

例えば、明確な時期はわからないものの5年以内に退任する可能性が高い場合には繰延税金資産の計上対象とするとか、支給額が多額になることが見込まれるため保険商品でカバーされている役員分だけを対象とするとかいう何らかの運用ルールを決めて運用すればよいのではないかと思います。

会社間で見た場合には同一環境下でも取扱いが異なることになりますが、これについては将来的に評価性引当額の内訳を開示するというような開示事項の拡充で対応が図られていくのではないかという気がします。

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