menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. ヤフー・IDCF事件に続き法人税法132条の2による否認事例が訴訟にな…
  2. 未払残業代の税務処理
  3. 弁当販売チェーン店の店長の管理監督者性が争われた事案
  4. 外貨建預金を原資とした株式等購入時の為替差損益申告漏れが散見
  5. 新収益認識基準が税務に与える影響は消費税が問題となりそうです
  6. 「採用選考ではない」と明言しつつ、事実上選考の場として懇談会を開催する…
  7. 不正会計発覚経緯は会計監査が最多らしいですが・・・
  8. 2名以上の独立社外取締役選任企業の割合は東証一部で88%に上昇
  9. IFRS適用検討会社数はこの位が限界か?
  10. 監査法人のローテーション議論が再燃
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

所得税の重加算税が課せられるのはどんな時?

所得税の確定申告シーズンがやってきましたが、T&A master No.676の「所得税の仮装隠ぺいを巡る最近の裁決事例」において最近の裁決事例二つが紹介されていました。

このうち一つの事案は、医療機関等に対して診療放射線技師を派遣する事業を営んでいた請求人が、その事業に関する収入等を申告していなかったことが国税通則法68条1項の「仮想隠ぺい」にあたるかどうかで争われたものと紹介されています。

国税通則法68条は重加算税に係る条文で第1項では以下のように定められています。

第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

上記より、仮装隠ぺいがあったことが、重加算税が賦課される前提となります。

そして前述の事案で、請求人(納税者)は、「医療機関等で診療放射線技師として業務に従事する一方で、医療機関等に対して診療放射技師をへ県する事業を営んで」おり、医療機関数社と業務委託契約を締結し放射線技師を派遣し、契約書や請求書をパソコンで作成し保存していたものの帳簿は作成していませんでした。

そして、請求人は、自らが医療機関等において業務に従事したことにより得た収入は給与所得として申告していた一方で、派遣事業に関する収入については一切申告していませんでした。

税務当局は、請求人が事業所得があることを認識していたにもかかわらず、意図的にその所得を当初申告に含めていなかったと認定し、これが仮装隠ぺいに該当すると判断し重加算税の賦課決定等を行いました。

納税者はこの処分を不服として争いとなったわけですが、さて、税務当局の処分は妥当だと思いますか?

個人的には重加算税も仕方がないかなと感じましたが、結論としては、納税者側の主張が認められ、重加算税相当額の課税処分は取り消されました。

意外な感じがしましたが、国税不服審判所は、「納税者が当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたうえ、その意図に基づく過少申告をしたような場合には重加算税の賦課要件が満たされると解釈した」とのことです。

その上で、審判所は、請求人は過少申告の意図および行為があったと認定したものの、「業務委託料はすべて請求人が管理する口座に入金されていたこと、派遣事業に関する契約書や請求書などの書類を破棄することなくパソコン等に保存していたことなどを踏まえると、請求人が派遣事業に関する帳簿を作成していないのはこれらの書類等により収入金額やおおよその利益等を把握することができるためであるある可能性がある点を指摘」し、帳簿を作成していないことをもって過少申告等の意図を外部かもうかがい得る特段の行動とまでは評価することができないと判断したとされています。

私のように重加算税のバーは思った以上に高いのだなと感じた方もいるかもしれませんが、そもそも重加算税を巡って争う必要がないようにきっちり申告は行いましょう。

関連記事

  1. 扶養控除等申告書におけるマイナンバーの取扱い(その2)

  2. 通勤手当の非課税限度額の引き上げ-平成26年10月20日施行

  3. 高額な会社負担の社員旅行は給与認定される可能性に注意

  4. 実費請求の交通費に対する源泉漏れで追徴?

  5. 士業の必要経費をめぐる国税不服審判所の判断(その1)

  6. 法人契約の損害保険から受け取った保険金を従業員へ支払った場合の課…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る