閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

平成29年度税制改正(その3)-法人税等関連(所得拡大促進税制)

なかなか進みませんが、平成29年度税制改正についての確認です。今回は、所得拡大促進税制についてです。

6.所得拡大促進税制の見直し

平成29年度税制改正前の所得拡大促進税制は、初年度に税額控除の適用が可能であった場合、次年度以降も適用を受けることのハードルは比較的低かったように思います。

特に中小企業者の場合は、基準雇用者給与等支給額に対する雇用者給与等支給額の増加割合が3%に据え置かれていたこともあり、税額控除を受けやすいという側面があると考えられます。

平成29年度税制改正の内容を確認するにあたり、従来の適用要件を確認しておくと、従来の適用要件は以下の三つを満たすこととされていました。

  1. 雇用者給与等支給額が基準雇用者給与等支給額に対し、一定の割合以上増加していること。
  2. 雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を下回らないこと
  3. 適用事業年度の平均給与支給額が比較平均給与等支給額を上回ること

平成29年度税制改正では、中小企業者等以外において上記要件のうち3番目の要件が、より厳しいものに変更されています。

すなわち、中小企業者等以外では、三つ目の要件が、適用事業年度の平均給与等支給額から前事業年度の平均給与等支給額を控除した金額のその前事業年度の平均給与等支給額に対する割合が2%以上であることとなっています。

ここでいう平均給与等支給額が何を意味するかの説明は割愛しますが、ざっくりと理解するとすれば、従来は平均給与が1円でも増加していれば要件を満たしたのが、平成29年税制改正後は平均給与も2%以上増加していなければならないとされたということです。

中小企業者等以外の場合、一つ目の要件は、平成29年4月1日から平成30年3月31日開始事業年度で5%とされていますが、この増加率は1%ずつ引き上げられてきたということもあり、要件1を満たすことにより要件3も満たせると考えていたような会社も注意が必要です。

結果的には、賃上げを2回に分けて行うべきだったということもあるかもしれません。

なお、中小企業者等の場合は、上記要件3は従来から変更ありません。

<税額控除上限額の見直し>

上記の通り中小企業者等以外にとっては、適用が困難になる方向の改正ですが、一方で税額控除限度額の見直しというアメも用意されています。

つまり、従来の雇用者給与等支給増加額の10%に加えて、雇用者給与等支給増加額のうち適用事業年度の雇用者給与等支給額から前事業年度の雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの2%も税額控除を受けることが可能と改正されています(両方合わせて法人税額の10%が上限)。

算式で書くと、以下のようになります。
税額控除額(法人税額の10%が上限)=(雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×10%+(雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)×2%

意味合いとしては、改正で追加された平均給与等支給額の2%増という要件を満たすために2%賃上げすればその分は税額控除してあげるよということのようです。

なお、中小企業者等では、要件3の見直しはありませんが、税額控除の額は、雇用者給与等支給額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち適用事業年度の雇用者給与等支給額から前事業年度の雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%の合計額に改正されています。

算式で書くと、以下のようになります。
税額控除額(法人税額の20%が上限)=(雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×10%+(雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)×12%

中小企業者等では税額控除の上限が法人税額の20%までと優遇されているものの、そこまで使い切れないことも多いのではないかと思いますので、(雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)×12%分を追加で加味できるというのはありがたい改正ではないかと思います。

関連記事

  1. 税理士登録

  2. クレジットカードによる国税納付が2017年より可能に

  3. 業績連動給与引当金は損金算入不可-条文読むととかえって混乱?

  4. 過年度遡及修正と税務の関係

  5. 償却資産の美術品-平成28年度申告でも延滞金は徴収されないそうで…

  6. グループ法人税(その4)-繰延譲渡損益の実現




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,839,345 アクセス
ページ上部へ戻る