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一部の新興国等ではPEなくても国内源泉所得として事業所得に課税

「PEなければ課税なし」が国際税務の原則といわれていますが、一部の新興国等ではPEがなくても国内源泉所得として事業所得に課税が行われるということがあるという記事が税務通信3478号の税務の動向にに掲載されていました。

具体的には、「マレーシアや台湾などアジア新興国等では、租税条約とは別に国内法に基づき、現地企業に対して現地にPEを持たない外国法人が行う役務提供等に係る対価、すなわち事業所得について”現地での源泉所得(外国法人の国内源泉所得)”として課税する実態がある」とのことです。

そして、マレーシアにおける取扱については税務通信の記事で、参考文献として月刊国際税務2017年8月号の「技術的な役務提供等に係るマレーシアの源泉税の改正について」(PwCマレーシア マレージング・コンサルタント 日本公認会計士 佐藤 祐司)と記載されていたので、この記事の内容を確認することとしました。

上記記事によると、従来はマレーシア非居住者によりマレーシア国内で行われた一定の技術的な役務提供の対価に10%の源泉税が課せられることとされていたものが、現地の税法改正により、国内で行われた役務に限定する文言が削除され、2017年1月17日以降は現地税法の下では源泉税が課せられることとなったとのことです。

あまり関係ないので、全く認識していませんでしたが、ネットで検索してみると関連する情報が多くあり、会社によっては大きな影響を受ける可能性がある改正であったことがわかりました。

マレーシアの所得税法では、「事業から生じる利得又は利益」などセクション4で定められている各種所得に加え、セクション4Aにおいて、課税対象となる特別な種類の所得として、マレーシアの非居住者がマレーシアから得る以下の所得が所得税の課税を受けることとされているとのことです。

(a)非居住者が有する財産または権利の利用に関連して、或いは、非居住者から購入した機械または設備その他の装置の据付けまたは運転に関連して、当該非居住者によって行われるサービスに係る対価

(b)科学、産業、商業上の事業やプロジェクト、スキームの技術的な管理、事務運営に関連して行われる、技術的なアドバイス、支援、サービスに対する対価

(c)契約形態のいかんを問わず、動産の使用に係る賃料またはその他の対価

そして上記セクション4Aの所得については、セクション15Aにおいて、その所得の支払者に着目し、以下の場合にマレーシアの源泉所得に該当すると規定しています。

①支払いの義務が政府または州政府、地方政府にある場合
②支払いの義務がマレーシア居住者にある場合
③支払がマレーシアで行われる事業の費用に算入されている場合

このセクション15Aでは、セクション4Aの(a)および(b)の所得については、従来「マレーシア国内で行われた役務の対価に対して適用する」という一文が付されていたとのことです。しかしながら、今回の改正によってこの一文が削除されたことにより、「マレーシア非居住者がマレーシア法人や外国企業のマレーシア支店に対して上記の技術的な役務を提供した場合、改正後は役務提供地がマレーシア国外であっても、マレーシア源泉所得として課税の対象とされることとなった」とされています。

マレーシアとの租税条約からすれば「PEなければ事業所得に課税なし」のはずですが、マレーシアの内国歳入庁はそのような見解をもっておらず、源泉税を課す権利を有するとする見解を表明しているとのことです(PRACTICE NOTE No.2/2017)。

というわけで、「PEなければ課税なし」に反して源泉税が課せられることがあり、この源泉税が外国税額控除の対象となれば税務上はそれほど問題はないと思われますが、残念ながら「基本的に日本で外国税額控除の適用を受けられないと考えられる」という点が問題となります。

なぜ外国税額控除の対象とならないかですが、法人税法施行令第142条の2第8五号において、租税条約により免除することとされる額に相当する金額は外国税額控除の対象から除外することとされているところ、租税条約に従えば本来は課税されない(免税)はずのものであるためです。

それでは源泉された金額はどう処理するのかですが、あくまで現地の税務当局に対して非課税措置を求めるというのが筋ではありますが、時間も費用もそれなりにかかることが予想されるので、費用対効果の観点からやってられないという判断も当然ありえます。この点、税務通信の記事では、「実務上は、法人税法施行令142条の2第8項5号(外国税額控除の対象とならない外国法人税の額)の規定に基づき、効率負担部分や租税条約が適用されることで減免等されるべき条約限度超過税額に係る取扱と同様に、支払い時に損金算入することが認められると考えられる」と述べられています。

もっとも、金額が大きくなればなるほど本来免税となるものであれば、損金算入がすんなり認められにくくなると思いますので、慎重に判断する必要があると考えられます。

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